「3年後にはゲームもストリーミングが本格化」Take-Two CEOの予測
そして今回のNetflix先行公開を考えるうえで、もう一つ見逃せない発言がある。
『GTA6』を手がけるロックスターの親会社Take-Two InteractiveのCEO、ストラウス・ゼルニック氏は先日の決算関連の発言で、ゲーム業界が「3年以内」に商業的なストリーミング時代へ入るとの見方を示した。
背景にあるのは、ゲーム機の高価格化だ。高性能なゲームを遊ぶために高価なコンソールを購入するのではなく、映像と同じようにサーバー側でゲームを処理し、ユーザーはストリーミングでプレイする。ゼルニック氏は、低遅延技術の進歩によって、ゲーム機を持っていない人でもゲームを遊べるようになれば、ゲーム市場そのものを広げられると見ている。
ここでNetflixの存在が気になってくる。
Netflixはすでに映像のストリーミングインフラを持ち、ゲームのストリーミングもベータ段階まで進めている。
そして今回、世界最大級のゲームIPのひとつである『GTA6』を使い、ゲームのプロモーション映像そのものをNetflixに囲い込む。
これは単なる広告なのか。
それとも、Netflixが将来的に「ゲームを見る場所」だけでなく、「ゲームを遊ぶ場所」になるための布石なのか。
Netflixは「ゲーム版Netflix」になるのか
もちろん、現時点でNetflixが『GTA6』をストリーミングゲームとして提供するという発表はない。また、今回の「Extended Look」のNetflix先行公開が、そのままゲームストリーミングサービスへの布石だと断定することもできない。ただ、Netflixはすでにゲームストリーミングの技術検証を進めている。2023年にはテレビ向けゲームストリーミングのテストを開始し、2026年には対応地域を拡大している。
一方で、Take-Two側もゲームストリーミングの本格化を予想している。
そう考えると、今回の「Netflixで6時間先行」という奇妙なプロモーションは、少し違った意味を持って見えてくる。
Netflixが映像配信で築き上げた「コンテンツを所有するのではなく、サービスからアクセスする」という体験をゲームにも持ち込めば、ゲーム業界のビジネスモデルそのものに影響を与える可能性がある。
今回の『GTA6』は、その未来を先取りする最初の一歩なのかもしれない。少なくとも、ゲームのプロモーション映像を「有料配信サービスで先に見せる」という発想は、これまでのゲーム広告とは明らかに違う。
『GTA6』がゲームそのものだけでなく、「ゲームをどう届けるか」という部分でも業界を変えるのか。
8月28日午前4時のNetflix先行公開は、その試金石になりそうだ。

