『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が興行収入110億円突破の大ヒットを記録し、「4DX上映」の実施も決定するなか、SNSでは、2024年に発売された児童書『ちいかわ お友だちとのつき合いかた』(KADOKAWA)があらためて注目を集めている。主に小学生を対象とした本だが、その内容を紹介した投稿をきっかけに、「泣きそうになった」「大人こそ読むべき」といった反応が続出した。
『ちいかわ お友だちとのつき合いかた』は、小学生から身につけたい友達付き合いのヒントを、シチュエーション別のQ&A形式で紹介する内容。「意見がちがうときはどうする?」「うわさ話はやめよう」「こんなとき、上手にあやまれる?」といった人間関係の構築に役立つテーマに加え、「自分のことをもっと知ろう」と題された章もあり、自分の気持ちとの向き合い方なども扱っている。
「自分のいいところ」問いかけるページに「泣きそうになった」
拡散のきっかけとなったのは、同書の中にある「自分のいいところを考えてみよう」という項のサンプルページを紹介したX上の投稿だった。「このページでちょっと泣きそうになった」とするポストに対して、日ごろから周囲との比較や自己肯定感の低さに悩む大人のユーザーを中心に、「子供向けだからこそストレートに刺さる」といった共感が広がった。
「電車の中で見るんじゃなかった 泣いちゃったやん…」
「みんなと仲良くなりたいため、これを買うことを決意……」
「自分の欠点や嫌なところばかり目について悲観しちゃうから自分の事を見直す良いきっかけになりそう」
「マジでこれめちゃくちゃ大人にアホほど刺さる本なのでぜひ読んでほしいです」
なかには、このページをきっかけに自分が受けてきた教育を振り返り、
「老舗女子校出身なのだが、これ、メッチャ学校で言われたな。老舗の学校に行く意味ってこういう所だなと大人になって思う。奇をてらった授業とかではなく、昔も今も変わらないけどとても大切な事を大切にする、それが将来につながると理解した教育をしてくれる」
「昔は学校でこういうの習わなかったから今の親も一部の天才以外は教えられないと思う。言語化されてなかったから、習うより盗め、の世界だった」
と、本書が人との接し方や自分との向き合い方を言語化していること自体の価値に注目する声もあった。
「自分を大切にする」「自分の良い面を探す」というシンプルかつ本質的なメッセージが、ちいかわやハチワレといったキャラクターたちのかわいらしいイラストとともに提示されたことで、かえって大人たちの心に響き、失いかけていた自己肯定感に思いを馳せるきっかけになっているようだ。
「婚活」「セルフケア」まで広がる解釈
話題が広がるにつれ、本書を単なる児童書として読むだけでなく、「大人のための学び直し」や「対人スキルのガイド」として受け止める向きも出てきた。
「ははーんコレ人生の攻略本やな?」
「これ本屋で読んだらそこらの自己啓発とか指南書みたいなのに比べてスゲー中身が良くてビックリしましたね」
「目次を見た瞬間『これ、鬱の回復期の指南書では?』とひとりごつ。なんかちいさくてかわいいやつにふんわり課金したのち、今度は人生まで教わる」
「婚活中の人や彼女欲しい人も読んだ方が良くないか。恋愛以前にまず人間同士の関係構築が出来ないとあかんからな」
なかには、他者との関係で傷つかないための本として捉える声もある。
「ちいかわの人間関係啓発本、友達を作るためではなくこの本のセオリーを台無しにしてくるような危険な人から自分の身を守るための本だと認識してる」

