前立腺がん検診は40歳から?50歳から?メディカルドック監修医が、検査の推奨年齢・家族歴がある場合の目安・受診方法を詳しく解説します。
この記事のまとめ
前立腺がん検診は、住民検診では50歳以上、人間ドックなどでは40歳以上からのPSA基礎値測定が推奨されており、家族歴がある場合は40歳代からの受診が勧められている。
検診はPSA(前立腺特異抗原)の血液検査が中心で、PSA基礎値が1.0ng/ml以下なら3年ごと、それを超える場合は毎年の受診が目安とされている。
PSA値が高く要精密検査となった場合は、泌尿器科でPSA再検査、直腸診、MRI・CT検査などを行い、必要に応じて前立腺の組織を採取する前立腺生検で確定診断を行う。
前立腺がんと診断された場合は、がんの広がりやグリソンスコアなどをもとにステージングを行い、監視療法、手術、放射線治療、薬物療法などから患者に合った治療法が選択される。

監修医師:
石川 智啓(医師)
2013年名古屋大学医学部卒。初期研修修了後、JCHO中京病院泌尿器科、小牧市民病院泌尿器科、名古屋大学医学部附属病院泌尿器科を経て、現在水野内科クリニックで勤務。日本泌尿器科学会専門医、da Vinci Surgical System コンソールサージャン・サーティフィケートの資格を有する。
50歳以上の男性に多い前立腺がんとは?

前立腺がんは男性特有の臓器である前立腺に発生するがんです。日本人男性では最も罹患率の高いがんで、50歳以降では罹患率が急上昇します。ここでは、前立腺がんの症状やリスクと考えられている要因などについて解説します。
前立腺がんの初期症状
前立腺がんは、ゆっくりと進行するケースも多いがんです。初期の段階では明らかな症状はない方も少なくありません。一方で、排尿しづらい、トイレに行く頻度が多くなるなどを自覚する場合もあります。
前立腺がんのリスクが高い人の特徴とは?
前立腺がんのリスク要因には、先天的あるいは遺伝的なもの、生活習慣などの後天的なものがあります。先天的・遺伝的な要因のひとつに家族歴があります。兄弟や親などの近い家族に前立腺がんの患者さんが1人いる場合、前立腺がんになるリスクは約2.5倍になります。生活習慣に関しては、高脂肪食を好む人、喫煙者などは前立腺がんのリスクを高めるのではと考えられています。そのほか、肥満などもリスク要因として挙げられます。また、年齢が高くなればなるほど前立腺がんのリスクが高まることも明らかになっています。
男性は何歳から前立腺がん検診を受けるべき?

厚生労働省をはじめとする国からは、胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんの5つに対するがん検診が勧められています。一方で、前立腺がんに対するがん検診としては現状国から指針として推奨されているものはありません。そこで、ここではガイドラインなどで提案されている、前立腺がん検診の推奨年齢などについて紹介します。
前立腺がん検診とは?早期発見の重要性
前立腺がん検診は、血液中のPSA(前立腺特異抗原)の測定を指すことが一般的です。人間ドックや、住民検診、職場検診などでオプションとして行われることもあります。PSA測定は静脈血を検査するものなので、外来での採血検査のみで施行可能です。そのため、入院は原則不要です。厚生労働省から推奨されている前立腺がん検診は今のところありません。一方で、中高年男性に対しPSA検査による前立腺がん検診によってがんの転移の確率を下げる、前立腺がんによる死亡率の低下効果が期待できます。がん検診を受ける利益や不利益についても十分理解したうえで、前立腺がん検診を受けることが好ましいとされています。
前立腺がん検診の推奨年齢と対象者
海外での50〜54歳を対象とした研究で、検診の実施により死亡率が統計学的に優位に低下したという結果が得られました。そのため現状では、50歳以上の方を住民検診における対象年齢とすることがガイドラインなどでは勧められています。また、人間ドックなど自分で検診を受ける医療機関を探して受けに行くようなケースでは、40歳以上の方のPSA基礎値測定が推奨されています。一方で、PSA値は前立腺肥大症や脱毛症の治療をしている際には影響を受けることもある点には注意が必要です。
家族歴・家族の病歴がある人は前立腺がん検診を早めに受けるべき?
家族歴のみが前立腺がんのリスクとなるわけではありません。しかし、人間ドックなどの自己負担で受ける検診の場合には、前立腺がんの家族歴がある場合には40歳代からの受診が勧められています。
前立腺がん検診は年1回?何歳からどのくらいの頻度で受けるべき?
前立腺がん検診としてのPSA測定は、費用対効果の観点からはPSA基礎値が1.0ng/ml以下の方の場合は3年ごとの受診、1.0ng/mlを超えている場合は毎年の受診が推奨されています。海外でのガイドラインや指針では、年齢やPSA値に応じて検査の頻度を分類することが勧められていますが、現状、本邦での自治体による検診などでは50歳以上の方で1年に1回受けるように周知されていることがほとんどであると考えられます。

