サッカーJ1のFC東京が25日、公式Xおよび公式サイトを通じて「特定の企業・団体名を含む侮辱的な替え歌」などの自粛を強く求める声明を発表した。問題視されているのは、プロ野球・ヤクルトの応援などでも知られる『東京音頭』に乗せた「くたばれ読売」コールだとみられる。野球界では絶滅に向かいつつあるこのコールが、なぜ今、サッカー界で再燃しているのか。背景にあるライバルチームとの歴史と、SNS上で飛び交うサポーターたちのリアルな反応を紐解く。
クラブが異例の声明「看過することのできない事象」
FC東京は『クラブからのお知らせ』として、コンプライアンス遵守の姿勢を示すとともに、看過できない事象が発生していると報告。「特定の個人や団体・企業を誹謗中傷、侮辱する行為は、対象となる方々を傷つけ、その名誉や信用を毀損するだけでなく、相手へのリスペクトを欠き、誰もが安心してスポーツを楽しめる環境を損なう」と苦言を呈した。
応援の熱量に対して理解を示しつつも、「その熱量を相手への敬意を欠く表現ではなく、クラブや選手を後押しする力にしていただきたい」と強調。特定の個人や企業を侮辱する内容を含む応援や歌唱の完全な停止を求めている。
プロ野球では絶滅寸前?ヤクルトと阪神の取り組み
話題の中心となっているのは、『東京音頭』の前奏部分における不適切な替え歌である。東京音頭はFC東京の応援歌として定着している一方、プロ野球・ヤクルトの得点時やラッキーセブンのテーマとしても全国的に認知されている。
実はプロ野球界において、この種のコールはすでに対策が進められてきた過去がある。ヤクルトの応援団「ツバメ軍団」は約10年前から、前奏を「東京ヤクルト」とするよう自発的に呼びかけを実施。「選手にとって、『くたばれ読売』は気持ちのいいものでは、決してありません」とファンに理解を求め、クリーンな応援の定着に成功している。
さらに、かつて同様のコールが問題視された阪神タイガースの試合においても、2023年シーズン頃から球団主導で侮蔑的な替え歌をやめるよう注意喚起が行われるようになった。現在、野球界全体で他球団を侮蔑するコールは減少の一途をたどっている。

