どうして朝食が必要なの?

子どもが朝食を食べない日が続くと、食べさせるのを諦めたくなるかもしれません。しかし朝食は、成長期の子どもにとって欠かせない大切なエネルギー源です。朝食抜きがよくないのはなぜなのか、朝食が果たす役割を具体的に見ていきましょう。
エネルギーの補給
人の体は睡眠中もエネルギーを使います。夕食で摂取したエネルギーは寝ている間に消費され、朝起きるころには残り少なくなっています。
特に脳の活動に必要な栄養素「ブドウ糖」が不足すると、頭はもちろん体も上手く働きません。勉強に集中できなくなったり、運動中にめまいやふらつきを起こしたりすることもあります。
ブドウ糖はグリコーゲンの形で肝臓に蓄えられますが、貯蔵できる量は多くても12時間分とされています。このため、朝食を抜いてしまうと、昼食までにエネルギー切れとなってしまうのです。
体温を上げる
食べ物を食べると、食材を分解して吸収する際にエネルギーを消費します。このとき熱が発生し、体温が上がる仕組みです。
朝食には寝ている間に下がった体温を上げ、脳や体の働きを活性化する役割があります。朝起きたときにやる気が出ないのは、睡眠中に下がった体温が上がりきっていないからです。
人は体温が下がると、体の動きを小さくしてエネルギーを節約しようとします。体温が低いままではいつまでもエンジンがかからず、活動的になれません。朝食を食べれば体温が上がり、しっかりと活動できるようになります。
排便リズムを整える
排便のリズムを整えるためにも、朝食は欠かせません。学校や園では自分のペースでトイレに行きにくく、排便を我慢することも多くなります。自然な排便ができないと、腹痛を起こしたり便秘になったりする可能性もあり、注意が必要です。
便の多くは、睡眠中に大腸で作られます。朝食を食べることで胃や腸が刺激されるとともに、大腸にも排便の反射が起こって夜中に溜まった便が出やすくなる仕組みです。
朝食を食べてくれない子どもへの対策

朝食の大切さをいくら子どもに言い聞かせても、食欲がなければ食べることは難しいものです。生活リズムの見直しなど、子どもが自然に朝食を食べられるようにする方法を解説します。
早寝早起きさせる
起きてから30分くらいは、脳も胃腸も動きが鈍く朝食を食べる態勢にありません。特に、夜遅くまで起きていて寝不足の場合は、目覚めてからしばらく経っても、まったく食欲がわかないこともあるでしょう。
夜は早く寝て、朝は余裕を持って起きることで体がしっかり目覚め、朝食を食べる準備が整います。ただし、夜更かしをしがちな子どもを早く寝かせようとしても、なかなか寝てくれないものです。
「決まった時間に消灯して布団に入る」「寝る時間が遅くなっても朝は必ず起こす」など、早寝早起きに向けた習慣を設けるとよいでしょう。
食べる前に軽く体を動かす
夕食を食べ過ぎたり遅い時間に食べたりすると、起きたときにお腹が空いていないため朝食を食べられません。目覚めたばかりで胃腸が動いていない状態では、余計に食欲がわかないでしょう。そんなときは、朝食の前に体を動かすのがおすすめです。
ママが朝食を準備している間に、ラジオ体操や子ども番組のダンス、掃除のお手伝いなど、軽い運動をさせてみましょう。時間があればペットの散歩やゴミ出しなどをして、外の空気に触れさせるのも有効です。
パパと一緒にウォーキングなどをすれば、親子の語らいの時間も増えるでしょう。運動や外気に触れることにより体が目覚め、ほどよくお腹が空いてきます。
食べやすく工夫する
平日の朝は何かと忙しいため、食事に手間取ってしまうと子どもも大変です。「早く食べなさい」などと言われると食べるのが面倒になって、残してしまうこともあります。
子どもが時間をかけずに食べられるように、メニューを工夫してみましょう。ご飯はひと口サイズのおにぎりに、パンは小さなサンドイッチにすると食べやすくなります。
シリアルに牛乳をかけたものやフルーツヨーグルトも、食べやすくて人気のメニューです。食べるのに時間がかかるサラダは、野菜ジュースで代用してもよいでしょう。
朝食を用意する時間がないときは、残り物のシチューやカレーにパンを添えるだけでもOKです。ママの負担が軽くて子どもが食べやすい食事なら、親子ともに気が楽になり楽しく食べられます。
