育児休業の基本知識

出産後に自動的に育児休業に入れるわけではなく、申請や手続きが必要です。初めて育児休業を取得する場合に、押さえておきたい基本知識を紹介します。
育児休業の取得条件
育児休業は、1歳に満たない子どもを育てている人であれば取得できます。これまでは、同一の企業で1年以上働いていなければならないという条件がありましたが、2021年6月に条件が緩和され、育児休業を取得しやすくなりました。
パートや派遣社員のように、期間を決めて雇用されている有期雇用労働者も同様に、2022年4月より雇用期間の条件が撤廃されています。
ただし、企業が労使協定を結んでいる場合は、雇用期間が1年未満・週における所定労働日数が2日以下・子どもが1歳6カ月になるまでの間に雇用契約が終了する労働者を除外できる決まりとなっています。
なお、2022年10月1日の改正で、育児休業は分割して2回取得が可能になります。
参考:リーフレット「育児・介護休業法改正ポイントのご案内」|厚生労働省(PDF)
育児休業給付金の申請方法
雇用保険に加入していれば育児休業給付金が給付されますが、申請は、まず労働者が勤務先に育児休業の申請を行い、企業の担当者が育児休業給付金の手続きを行うという流れが一般的です。
申請者が企業を通さずに直接申し込む場合は、賃金の証明などの各種書類が必要になるので、結局は企業の理解や手助けが欠かせません。
勤務先に申請する際は、育児中であることを証明できる書類や免許証・マイナンバーカードなどの本人確認書類などを準備しておきましょう。
育児休業給付金の額を導き出す計算式は、育児休業開始から6カ月までとそれ以降で変わります。
・6カ月まで:休業開始時の賃金日額×支給日数(30日)×67%
・6カ月経過後:休業開始時の賃金日額×支給日数(30日)×50%
休業開始時の賃金日額は、育児休業を開始する日から遡って6カ月間の給与を180で割った額です。
参考:育児休業給付の内容及び支給申請手続きについて|厚生労働省・都道府県労働局・公共職業安定所(ハローワーク)
育児休業からの仕事復帰
育児休業を終了し仕事に復帰したあとは、育児と仕事を両立するためのサポートを受けましょう。例えば、子どもの世話をするために、1日の労働時間を6時間に短縮する時短勤務が認められています。
時短勤務は「短時間勤務制度」といい、法律で定められている制度です。時短勤務の対象となるのは、3歳未満の子どもを持つ労働者で、1日の所定労働時間が6時間以上の人が該当します。
ただし、1日ごとに雇用契約が終了する形態の場合は対象外です。また、労使協定を結んでいる場合は、雇用期間が1年未満・週における所定労働日数が2日以下の労働者などが適用除外となります。
なお、時短勤務の場合は、社会保険料の負担が軽減されます。「育児休業等終了時報酬月額変更届」を勤務先に提出すれば、社会保険料の負担を減らせるでしょう。
男性が育休を取得するには?

育児休暇や育児休業は女性だけのものと思われがちですが、男性ももちろん利用できます。男性が育休を取得する際のポイントを見ていきましょう。
「基本」育児休業に男女の区別はない
育児休業に男女の区別はなく、妻と夫の両方が取得できます。男性であっても育児給付金が支給され、妻の出産予定日から子どもが1歳になる前日まで育児休業が可能です。
男性の育児休業取得を促進し、両親が協力して育児ができるように様々な制度が設けられています。男性が育児休業を取得するケースはまだまだ少ないですが、メリットは大きいといえます。
産前・産後の女性は、家族の手助けが必要です。夫が育児休業を取得し妻をサポートすれば、夫婦関係を良好に保つ効果が期待できます。
パパ・ママ育休プラス
夫婦両方が育児休暇を取る予定のときに、利用できる制度が「パパ・ママ育休プラス」です。通常の育児休業は子どもが1歳になるまでと制限がありますが、夫婦両方が育児休業を取得する場合、1歳2カ月まで休業できます。
通常の育児休暇に加え、2カ月分の給付金をもらえるのでお得です。夫婦が同時に育児休暇を取得する方法や、母親の職場復帰に合わせて父親が育児休暇を取得しても構いません。
ただし、夫婦どちらかが専業主婦(夫)の場合は、適用が除外されます。
産後パパ育休(旧・パパ休暇)
産後、仕事復帰する女性が増えたため、男性が育児をより柔軟にサポートしやすいよう、様々な工夫がされています。配偶者の出産後8週間以内に育児休業を取得する場合は、育児休業を再度取得できる特例があり、この制度を「パパ休暇」といいます。
パパ休暇を利用すれば妻の産後すぐに育児休業し、一度仕事に復帰したあと、妻が仕事に復帰する際に再び休業してサポートできます。パパ・ママ育休プラスとの併用も可能です。
なお、このパパ休暇は2022年10月1日より「産後パパ育休」に改正されます。先述した基本の制度に加え、産後8週間以内の育児休業も2回に分けて取得できるようになるので、男性の育休がより取りやすくなるでしょう。
