離乳食の拒否に役立つ食事の工夫

少し工夫するだけで、赤ちゃんが離乳食を食べ始める場合があります。離乳食を拒否されたとき、赤ちゃんの月齢に関係なく試せる3つの工夫を紹介します。
落ち着いて食事ができる環境を整える
好奇心が旺盛な赤ちゃんの注意を食事に向けるためには、環境を整える必要があります。机の上にはできるだけ離乳食以外のものを置かないようにし、赤ちゃんが食事に集中できるようにしましょう。
また、視界に入ったものに興味を示す赤ちゃんの特性を考慮し、TVを消すのはもちろん、外の風景が気になる場合にはカーテンを閉めるのも大切です。
食事用の椅子を使っている場合には、高さが合っていないために離乳食を食べたがらないとも考えられます。椅子の高さを調節したり、チェアベルトを活用したりして、赤ちゃんの姿勢を安定させるのもポイントです。
おなかが空くように遊び・おやつの量を見直す
おなかが空いていると、いつもは嫌がる離乳食を食べる場合もあります。食事の時間に合わせて公園まで散歩をしたり、部屋で体を動かしたりするなど、遊びを増やしておなかを空かせるのもひとつの方法です。
遊びと同時に、おやつを与えすぎていないかを見直すのも大切です。おやつを食べるのに離乳食を拒否する場合には、おなかがいっぱいになっている可能性があります。
「間食」という言葉からも分かるように、おやつの役割は離乳食で摂取できない栄養を補うことです。離乳食が食べられるように、おやつの量を減らしたり、与えるのをやめたりするのも大切です。
ベビーフードを取り入れる
時間をかけて作った離乳食ほど、赤ちゃんに拒否されたときのショックは大きいでしょう。手作りの離乳食を食べない赤ちゃんには、思い切ってベビーフードを活用するのもおすすめです。
ベビーフードは栄養バランス・衛生面を考えているのはもちろん、赤ちゃんが好みやすい味付け・食感で作られています。また、簡単に用意できるベビーフードを取り入れることで、赤ちゃんが離乳食を食べないときのストレスが減らせます。
離乳食を食べない赤ちゃんにイライラするのを防ぐために、あえて準備に手間をかけないのもひとつの方法です。
「月齢別」離乳食を食べないときの対処法

離乳食は赤ちゃんの月齢を目安として、初期・中期・後期・完了期の4つの段階に区切られています。離乳食を食べない赤ちゃんには、段階に応じた対応が大切です。
初期は「無理に食べさせない」
初期にあたる生後5~6カ月の赤ちゃんは、離乳食を食べるための発達が追いついていないとも考えられます。初期には離乳食を無理に食べさせる必要はなく、母乳・ミルクを好きなだけ与えても問題はありません。
離乳食の初期において大切なのは、口の奥に入った食べ物を飲み込む練習です。食べ物をペースト状にし、赤ちゃんの姿勢を少しだけ後ろに傾けて与えるとよいでしょう。
何度か食べさせようとしても赤ちゃんが嫌がったり、泣き出したりする場合には離乳食をお休みする方法もあります。赤ちゃんのペースに合わせ、親子ともにストレスにならないように進めるのが大切です。
中期には「柔らかい・小さい食材」を心がけて
離乳食に慣れてきた中期に離乳食を食べない生後7~8カ月の赤ちゃんは、食材の形・固さを嫌がっている可能性があります。つぶし方を細かくしたり、とろみをつけたりして、赤ちゃんの食べやすい食材を与えるのがポイントです。
フードプロセッサー・ブレンダーなどを活用すると、時間をかけずに食材を細かくできます。また、あんかけ・クリーム煮などは、とろみがある上にアレンジしやすいので、様々な食材に触れさせたい離乳食中期にぴったりのメニューです。
後期には「つかみ食べ」をさせてみる
離乳食後期にあたる生後9~11カ月の赤ちゃんには、自我が芽生え始めます。離乳食を拒否する背景に「自分で食べたい!」という意思が関係している場合があります。
後期の赤ちゃんが離乳食を嫌がる場合には、思い切って「つかみ食べ」をさせてみましょう。とはいえ、ご飯・麺などを手づかみするのは赤ちゃんの自我を満たせる一方で、机・床を掃除する親の負担が増えてしまいます。
レジャーシートをしいたり、汚れが付きにくいパン・野菜スティックを用意したりして、できるだけ片付けをする負担を減らすのが大切です。
完了期には「フォローアップミルク」も併用
生後12~18カ月の離乳完了期には、ひととおりの食べ方・飲み方をマスターする反面、好き嫌いが出てきます。離乳食だけではなく、フォローアップミルクを飲ませて足りない栄養を補うのがポイントです。
また、前歯が生えそろってくる時期でもあるので、歯ぐきでかみつぶせるような肉だんご・おやきなどを用意し、かむ練習をするのも大切です。
手づかみで食べられるようになった赤ちゃんには、スプーン・フォークを与え、持ち方・食べ方を教えていきましょう。
