ほしかったのは分担じゃなく、「気づく姿勢」だった
亮はしばらく黙り込んだあと、真剣な声で言いました。
「じゃあ、家事の分担どうしたらいい?」
はるかは首を横に振りました。
「分担の問題じゃないの。
疲れてるときに“気づこう”としてほしかったんだよ。
先に『やるよ』って言ってくれるだけでよかったの。」
亮はゆっくりとうなずき、
「…本当に気づけなくて、ごめん。」
と静かに言いました。
それから亮は、小さな行動を少しずつ変え始めました。
洗濯物を畳んだり、食器を下げたり、はるかの様子をそっと確認してくれたり。
完璧じゃなくていい。
ただ、その“気づく姿勢”が、はるかの心をふっと軽くしました。
夫婦は大きな出来事よりも、日々の「小さなズレ」が心を遠ざけていくもの。
はるかはあの夜、自分の本音をやっと言葉にできました。
まだ全部を分かりあえたわけじゃない。
それでも、お互いに歩み寄ろうとする姿勢があれば、
夫婦はまた少しずつ近づいていけるのかもしれません。
※この記事は実際の相談内容や体験談をもとに再構成したフィクションです。登場人物は仮名であり、特定の個人を示すものではありません ※本コンテンツの画像は生成AIで作成しています
