残業続きの毎日
結婚記念日の1週間前から、夫の帰宅は連日22時を過ぎていました。「仕事が立て込んでいて」と言うばかりで、詳しいことは何も教えてくれません。私はこの日のために、少し奮発してフレンチレストランを予約していました。去年は夫がサプライズでケーキを用意してくれたから、今年は私が喜ばせる番だと思っていたのです。でも夫は「今週は忙しいから」と繰り返すだけ。記念日の話題を出しても、上の空のような返事しか返ってきませんでした。
何も言わずに出勤した朝
そして迎えた結婚記念日の朝。私は少しだけ期待していました。「おめでとう」の一言くらいはあるだろうと。けれど夫は、いつもと変わらない様子で身支度を整えていきます。「今日、何の日か覚えてる?」。思い切って聞いてみると、「ごめん、今日も遅くなる」と。それだけ言って、夫は玄関を出ていったのです。取り残された私は、しばらく動けませんでした。悲しさと怒りが静かに胸の中で渦巻いていくのを感じていました。
