眠れない夜が続いていた
生後3カ月の娘は、夜中に何度も泣いて目を覚ます子でした。授乳してもおむつを替えても泣き止まない夜が続き、私は一日の睡眠が3時間を切る日もありました。夫は隣の部屋で寝ていて、「明日も仕事だから」と起きてくることはありません。
週末も「疲れてるから」とソファでスマホをいじるばかり。せめて1時間だけでも娘を見ていてほしい。その一言が、どうしても言えませんでした。言えば「自分だって疲れてる」と返されることが、もうわかっていたからです。
「甘えるな」
限界が来たのは、ある火曜日の夜でした。娘が3時間泣き続け、何をしても泣き止まず、抱いたまま廊下をうろうろ歩いていました。ふと鏡に映った自分の顔を見て、もう誰だかわからなくなりました。そのまま座り込んで、私も一緒に泣いてしまったのです。
ちょうど帰ってきた夫が来て言いました。
「なんで泣いてんの。母親だろ、しっかりしろよ」
声にならない声で「もう限界なの、少しだけ手伝って」と頼むと、夫はため息をついてこう言いました。
「甘えるな。うちの母親はひとりで3人育てたぞ」
もう限界でした。
