『GUNDAM ASSEMBLE』——ガンプラで戦場を指揮する、新感覚のミニチュアゲーム
続いて登壇した企画担当の染谷潤氏からは、2025年1月のティザー発表から約1年越しとなる「GUNDAM ASSEMBLE」の全貌が語られた。
染谷氏が強調したのは「小規模部隊のスカーミッシュバトル」という形式。従来のミニチュアゲームはワンプレーに数時間かかるものが多いが、本作は濃密な戦略体験を現代的なスピード感に収めているという。「ガンプラの造形美とゲームの競技性を融合させ、世界中でリーグ戦が開かれるグローバルな競技タイトルに育てたい」と、その志は大きい。
ゲームデザインの中心にいるのが、デッキ構築ボードゲーム「アセンション」の開発者であるジャスティン・ゲイリー氏。染谷氏いわく「PCGの世界大会での優勝経験を持つレジェンド」とのことで、先行するミニチュアゲームを徹底分析した上で、現代のプレイヤーが求めるテンポの良さと”ガンダムらしさ”の両立を追求したそうだ。
ミニチュアは接着剤不要のスナップフィットで、パーツ数も最小限。「遊ぶまでの距離を極限まで短縮した」と染谷氏は語る。単色成形ながら劇中の印象的なポーズを立体化し、置くだけで陰影が際立つ造形は、さすがのガンプラ品質。塗装すれば世界に1体だけの自分のMSが完成する。
スターターセットにはRX-78-2 ガンダム、シャア専用ザク、ウイングガンダムゼロ(EW)、ガンダムエピオン、ガンダム・バルバトスルプスレクス、ガンダム・ヴィダールの6体が収録され、これに各種カード、10面ダイス、ゲームマップ、紙製テレインが付属して3,850円(税込)。まずは手に取りやすい価格で裾野を広げ、拡張セットでコンテンツを継続させる戦略とのこと。
10月の発売後は毎月新商品をリリースし、1年以内に30アイテム以上をグローバル展開する計画だ。「1年戦争を皮切りに、SEED、W、鉄血のオルフェンズなど様々なガンダムの歴史を網羅していく」という言葉にも期待がふくらむ。
印象に残ったのは染谷氏のこの一言。「もしあの伝説のバトルであなたが指揮を執っていたら、もしかしたらジオンが勝っていたかもしれない。そんな”もし”を現実にするのがガンダムアッセンブルです」——ガンダムファンなら、この言葉だけでもう遊びたくなるのではないだろうか。
【試遊】「ミニチュアゲームは難しい」の先入観が崩れた日
白状すると、筆者はボードゲームこそ好きだが、ミニチュアゲームには「ルールが難解で時間がかかる」というイメージを持っていた。しかし実際に遊んでみて、その先入観はいい意味で崩れた。
理由はシンプルで、『ガンダム』というよく知っているIPだからこそ、ルールがスッと入ってくるのだ。たとえば「ガンダムのビームライフルは障害物があると射線が通らないから撃てない」と言われれば、ガンダムファンなら「まあそうだよね」と直感的に納得できる。一方で「ガンタンクの低反動キャノン砲は山なりに飛ぶから障害物を越えて撃てる」と聞けば、「なるほど、ガンタンクだからね」と腑に落ちる。ガンダムの作品知識がルール理解の近道になるという構造は、実によくできていると感じた。
ゲームの核となる「タイムライン」システムもユニークだ。各ユニットが行動するたびにアクションに応じた「時間コスト」を支払い、タイムライン上のトークンが後退する。たとえば強力なビームライフルを撃てば大ダメージを与えられるが、そのぶん時間コストが重く、次の行動が大きく遅れる。結果、相手に連続行動を許してしまうことも。
この「火力と行動速度のトレードオフ」が常にプレイヤーの判断を迫ってきて、実に手に汗握る。高いところに登ると移動コストが増えるなど、地形の要素も戦略にしっかり絡んできた。
ちなみに盤面はヘクス(六角形マス)で構成されている。ガンダムファンならピンとくるだろう——そう、『SDガンダム ジージェネレーション』シリーズのあの感覚だ。ヘクスマップ上にモビルスーツを並べて移動させるだけでテンションが上がる。「自分の手で駒を動かしている」というアナログならではの実感が、デジタルゲームにはない興奮を生んでいた。
さらに対戦を熱くしてくれるのが「戦術カード」の存在。プレイヤーには手札として配られ、使うことで追加行動が可能になったり、攻撃のダメージがアップしたり、クリティカルヒットの条件が緩和されたりと、多彩な効果を発揮する。ここぞという場面で切る一枚が戦況をひっくり返す可能性もあり、タイムライン管理+カードの駆け引きが掛け合わさることで、戦術性がさらに増していると感じた。
試遊では使えなかったが、展示されていたウイングガンダムゼロのツインバスターライフルは扇状に攻撃できる「マップ兵器」的な性能を備えていた。これを見た瞬間、筆者の頭に浮かんだのは「じゃあガンダムXのサテライトキャノンは直線でぶっ放せるのでは……?」という妄想。こういう”もしも”を考え始めたら止まらないのが、ガンダムIPとミニチュアゲームの最高の相性だと思う。
プレイ時間はシナリオにもよるが30分~1時間ほどとのこと。ミニチュアゲームとしてはかなりライトな部類で、慣れればテンポよく回せそうだ。もちろん超手軽とまでは言えないし、ボードゲーム初心者がいきなり全ルールを覚えるのは少し大変かもしれないが、基本的な動かし方は遊びながら覚えていける設計になっている。ベースさえつかめば、あとは慣れで楽しめるはずだ。
そしてなんとスターターセットが3,850円。ボードゲーマーとしての肌感覚だと、このコンポーネント量なら7,000~10,000円くらいが相場だと思っていたので、価格を聞いた瞬間は思わず「え!? 嘘でしょ?」と声が出た。ミニチュアゲームの入口としては破格と言っていい、攻めに攻めた価格設定だ。
遊びのインフラまで設計する「BTGシステム」とは
発表会の終盤では、国内マーケティング部の清水浩史氏が登壇。公式プラットフォーム「バンダイテーブルトップゲームズ(BTG)システム」の概要を説明した。イベント検索からエントリー、対戦結果の記録までをブラウザ上で完結できる仕組みで、TCG事業で実績のある「TCGプラス」のノウハウを応用しているとのこと。
「どこで、誰と、どう遊べばいいのか。その不安を解消しない限り、新しいホビーが文化として根付くことはない」という清水氏の言葉は、テーブルゲーム好きとして深く共感するところ。商品を作って終わりではなく、コミュニティが生まれる仕組みまでを一体で設計していく——その姿勢が、発表会全体を通して一貫していた。
『プラコロ』は7月、『GUNDAM ASSEMBLE』は10月。ポケモンとガンダムという2大IPで切り込む「BANDAI TABLETOP GAMES」の船出が、どんな波を起こすのか。今から夏と秋が楽しみでならない。
※記事内の価格はすべて税込表記です。
※本記事はプレス発表会での試遊体験にもとづいています。製品版では仕様が変更になる場合があります。
(C)Pokémon. (C)Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
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(執筆者: sasuke_in)
