最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
JAXAの実験が証明した? 『シン・エヴァ』ミサトの戦艦が放った「種子の方舟」は現実になるか

JAXAの実験が証明した? 『シン・エヴァ』ミサトの戦艦が放った「種子の方舟」は現実になるか

JAXAの実験結果が実証? 生命は宇宙を旅できる

「たんぽぽ計画」は2015年に国際宇宙ステーションで行われました。この生命実験の名前は、たんぽぽの種が風に乗り、新天地で根を下ろすというイメージから付けられました。

 JAXAを中心とした研究チームは、極限環境微生物(デイノコッカス・ラジオデュランス)を国際宇宙ステーションの船外へ運び、太陽から降り注ぐ放射線に3年間さらし続け、生存できるのかを調査しました。

 実験の結果、微生物を集めて塊状にすれば、宇宙空間でも数年から数十年生きられることが判明しました。塊の外側部分が放射線をさえぎる盾になるのです。塊状でなくても、小惑星や彗星のような岩石のなかにいれば生存可能とも考えられています。

 微生物の塊や岩石は、惑星上の火山活動や、台風、あるいは大気中の放電現象などによって宇宙空間へ出ることができます(『科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?』佐藤勝彦監修/河出書房新社)。

 火星でも火山活動や台風は起きており、こうした自然現象が火星で起こって、小さな岩石が地球へ向かう軌道に乗ったとしたら? 最短で数か月ほどで地球表面へ到達します。

 実際に、火星からやってきた岩石が隕石として地球に降ってくることは、まれながら確認されています。現在までに火星から飛来した隕石は約400個発見されています。

「生命の起源」については、いまだに分からないことだらけです。実は、地球上の生命体がそもそも地球で生まれたのかどうかさえ、はっきりしていません。

 そのため「たんぽぽ計画」の研究チームは、2020年8月の論文で、「地球最初の生物は火星で誕生した可能性もある」と指摘しました。そこから生命の進化が始まり、地球の生態系を形作ったのだとしたら……。太古の昔、惑星間を行き来する「方舟」が実在していた可能性も考えられるのです。

現実と区別がつかなくなりそうな「エヴァ」の世界観

 ここで、エヴァの話に戻します。

 第2の使徒「リリス」も、小惑星に乗って宇宙からやってきた生物です。そしてリリスの肉体は数十億年もの間、生命の源となる液体「L.C.L」を流し続けます。

 作中でL.C.Lは「生命のスープ」と説明されますが、これも現実を反映しています。地球上の生命の分子組成を見ると、水が約70%、タンパク質が約15%を占めています。つまり、あらゆる生命は「スープ(タンパク質水溶液)の入った革袋」なのです。

 エヴァの世界では、生命の起源が「第3新東京市」(現実世界の箱根)の地下に眠っていました。リリスという巨大な異星人を発見し、しかもそれが人類の祖先だと判明したときは、誰もが驚いたはずです。

 地球生命を守るため、加持は科学の力で方舟を作り上げました。それが火星など別の惑星に着陸すれば、地球の生命が新天地で生態系を築くことでしょう。

 そして長い年月をかけて進化は続き、再び知的生命が誕生するかもしれません。もし彼らが自分たちの祖先を知ったとしたら、どう思うでしょうか。さらに、渚カヲルのような美少年が現れ、「また会えたね」などと優しく声をかけてきたとしたら……!

 現実とエヴァの世界の境界が分からなくなってしまいます。そんな妄想が、いくらでも広がってしまいそうです。新作「エヴァ」シリーズが見せてくれる世界に、期待せずにはいられません。

※参考文献
・細胞機能学研究室 https://www.ls.toyaku.ac.jp/~lcb-7/tanpopo/
・『科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?』佐藤勝彦監修/河出書房新社

配信元: マグミクス

あなたにおすすめ