千葉県のゴルフ場に現れたのは、世界に1台しかないロールス・ロイスに乗った前澤友作。そのコースは会員もいない、本人専用のプライベート空間だった。この日、テレビ番組の収録で明かされたのは、ゴルフへの向き合い方から新事業「カブアンド」、そして「お金とは何か」という独自の思想まで。前澤氏の現在地を追う。(この記事は、3月28日(土)午前11時3分~テレビ東京で放送『日経スペシャル ガイアの夜明け Beyond The Story』でのインタビューを元に再構成したものです)
営業しておらず、会員もいないプライベートゴルフ場
3月8日、日曜日の午前9時。千葉県、睦沢町のゴルフ場に深い緑色の「ロールス・ロイス」が到着した。運転手がドアを開けると、降り立ったのは実業家の前澤友作さん。
車はロールス・ロイス・モーター・カーズとエルメスが共同で製作した「ロールス・ロイス ファントム・オリベ」。前澤さんの注文によって造られた、世界に1台しかない車だ。
その後部座席からは前澤さんの愛犬、イングリッシュ・コッカー・スパニエルの利休も元気に飛び出してきた。
前澤さんは、2022年にこのゴルフ場を購入。「MZ GOLF CLUB」と名付けたが、ゴルフ場は営業しておらず、会員もいない。前澤さんがプレーするためだけのプライベートコースで、週に1~2回ほど練習している。ベストスコアは69と、プロ並みの腕前だ。
この日、前澤さんは、プライベートでプレーする様子の番組収録を初めて受け入れた。それは「日経スペシャル ガイアの夜明け」の新企画、「Beyond The Story」の取材で、プライベートな内容も含む50の質問を受け、それをほぼそのまま配信するという新企画だ。
当日は快晴だが強風が吹きつけ、プレーには厳しいコンディションとなった。前澤さんは、基本的にコーチなどを伴って一人でプレーするため、1ラウンドをわずか80分ほどで回るそうだ。
豪華なプライベートコースを所有していても、“付き合いゴルフ”には関心がない。この日もコーチ陣と、愛犬の利休が同伴するいつものスタイルでプレーを始めた。
1ホール目は「パー5」。強風の中、3打目を見事にグリーンに乗せた。そのままパットも沈めてバーディー。前澤さんは「朝イチのバーディーは“おはようバーディー”って言うんですよ」と、満面の笑みを浮かべた。
番組の質問が始まる。まずは前澤さんの新事業、「カブアンド」について。「カブアンド」は、電気やガス、クレジットカードなど、カブアンドが提供するサービスを使った分だけ、「株引換券」がもらえる。その後、株引換えの申し込みに応募することで、株式会社カブ&ピースの株主になれるという仕組みだ。
(※カブアンド種類株式の申し込み・投資の検討は (株)カブ&ピースが作成する目論見書を同社のウェブサイトよりダウンロードして必ずご覧いただき ご自身の判断で行ってください)
「ZOZOの時は実現できなかったが、今回は実現します」
前澤さんは「国民総株主」という理念を掲げ、株主を増やすために、この事業を始めたと言うが、そのようなアイデアを思いついたきっかけについて質問した。
――なぜ「カブアンド」のような、突拍子もないアイデアを思いついたのか?
僕からすると「突拍子もないアイデア」ではなくて、当たり前のこと。「カブアンド」では、弊社の電気やガスなどサービスを利用してくださる消費者の皆さんが、会社の株も所有する。自分が消費者として、会社の利益に貢献しているわけですから、株主になって会社の利益の一部を受け取る。
「配当」だったり、「株のキャピタルゲイン」だったり、いろいろなケースがあると思いますが、それはすごく当たり前のことであり、むしろなぜ今まで、このような仕組みがなかったのかが不思議。
――これは、前澤さんが、これまでずっと考えてきたことに近い?
そうですね。「資本主義とはなんぞや」と考えてきた。ZOZOを上場させる時も、そういうことを考えていた。ZOZOの時は実現できなかったが、今回は実現します。
――カブアンドは、この先うまくいきそうか?
もちろん、いろいろ準備もしていますし、僕らは「国民総株主」と言っているぐらいなので、もっともっと株主を増やしていきたい。今はNTTさんが、日本で一番株主数の多い会社ですけど、それを早く超えて、まずは日本で一番株主が多い会社になって、「国民総株主」に近づきたいです。
もちろん、いろいろ準備もしてますし、もっともっと株主を増やしていきたい。今、NTTさんが日本で一番、株主数の多い会社さんで200万人強、株主さんがいらっしゃるんです。早くそれを超えて日本で一番株主が多い会社にまずはなって、「国民総株主」といえる状態に近づけていきたいです。
――その先にどんな世界を見すえているのか?
資本主義社会なので、やっぱり資本を持つことの大切さを皆さんに理解してもらいたい。皆さんは生活者として必ず、いろいろな企業の商品やサービスを利用するわけですから、その商品を提供する会社の利益に貢献している。
だからみんなが、利用している会社の株式を積極的に持ち、経済に積極的に参加するような国になると、すごくいいなと思う。日本人がみんな株主で、株主として所有する会社を通じて日本の経済を動かしていく。
私たちが政治家に1票を入れるように、自分の好きな会社の株を持って「1票入れる」ような、そういう社会になると、もっと経済も成長するのかなと思っている。

