深夜のメッセージと、地図が示した現実
「今から帰るね」というメッセージが届いたのは、夜中の0時を過ぎた頃でした。彼とは位置情報を共有しているのですが、その夜に限ってなぜか確認してしまったのです。画面には、自宅とは明らかに違う方角を示すピンが表示されていました。
距離にして数キロ。電車では帰れない場所です。最初は「見間違いかな」と思い直しましたが、ピンは動かず、そこにありました。
送ったメッセージ、返ってこなかった返事
動揺しながらも、責める言葉は選ばずにこう送りました。
「今どこにいるの?地図、全然違う方向なんだけど」
既読はついたものの、返信はありませんでした。もう一度だけ送りました。
「楽しそうだね」
それも既読のまま、朝まで返事はありませんでした。責めたくて送ったわけではなかったのですが、その沈黙がかえって、何かを雄弁に語っているようでした。眠れないまま夜明けを迎えました。
