俺にできることは一つだった
翌日、会社に育休の申請書を出しました。上司に事情を話すのは恥ずかしかった。それでも、恥ずかしがっている場合ではないと思いました。申請が受理されるたびに、妻に短く報告のメッセージを送りました。
「申請が通りました」「上司に話しました」。返信は来ませんでしたが、必ず既読がつきました。それを確認するたびに、まだ繋がっていると感じることができました。
そして...
出産当日の深夜、妻から一通のメッセージが来ました。「病院に来て」。それだけでした。俺はすぐに飛び起きて病院へ向かいました。
生まれてきた子どもを腕に抱いたとき、俺が笑いものにしたのはこういう時間だったのだと、ようやくわかりました。あの後輩に謝りに行ったのは、それからしばらく経った頃のことです。「気にしてませんよ」と言ってくれましたが、俺は気にし続けるべきだと思っています。軽い一言で、どれだけの人を傷つけていたか。子どもの顔を見るたびに、思い知らされています。
(30代男性・広告代理店)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
