「腕前」至上主義からの脱却
西原氏は、これからの業界に必要な素養についてさらに踏み込みます。「書類上の数値やゲームの点数だけでは測れない部分、つまり『共に働きたいと思わせる人間味』こそが求められている」と語り、技能のみを重視しがちだったこれまでの風潮に一石を投じました。

特に「実力が拮抗する場面では、周囲に良い影響を与える人物かどうかが“チームへの評価”を分ける大きな判断材料になる」と指摘。これは一般の就職活動と同様に、最終的にはその人の「人となり」が問われるという、健全な組織のあり方を示唆したといえるでしょう。
また、西原氏は仕事に対する姿勢の本質について「自分の好きな分野において、やりたくないことや、面倒だと感じる仕事まで含めて向き合えるかどうかが本質である」と言及。eスポーツを単なる遊びではなく、地に足のついた事業として根付かせる意欲を示しました。
業界を「誰もが胸を張って稼げる場」にするためには、こうした姿勢を持つ専門家の育成が、欠かせない土台となるはずです。
現場の「理想」を「仕組み」に変える
こうした西原氏やcrow氏の掲げる「人間味」や「応援される力」を、実際の教育としてどう具体化していくのか。GANYMEDEの執行役員・千葉哲郎氏は、eスポーツ産業の急速な拡大に伴う「裏方人材」の圧倒的な不足を指摘します。

「eスポーツは非常に専門性が高く、タイトルごとの知識や配信技術など、現場特有のノウハウが必要。しかし、それを体系的に教える仕組みがまだ不十分です」

この課題に対し、新校ではZETA DIVISIONが培ってきた競技実績やマーケティングの知見をカリキュラムに凝縮。現場の第一線で活動するスタッフが直接指導にあたり、実際のイベント現場での実習や、スポンサー開拓をシミュレーションするプロジェクトなど、徹底した「実践主義」を打ち出します。

同教育課程は、10代から成人までを対象とした3部制(高等部・専門部・大学部)で構成され、ZETA DIVISIONがすべての教育内容を監修します。現場の第一線で活動するスタッフが直接指導にあたり、実践的な経験を通じて、即戦力を世に送り出す仕組みを整えています。
2027年に本格始動するこの試みは、日本のeスポーツ教育における一つの転換点となるでしょう。
