SNSは、今や企業にとって欠かせない広報ツールとなっている。しかしただ発信するだけでは、その効果を十分には発揮できない。慶応義塾大学大学院でメディアデザインを学び、これまで100社以上の中小企業やスタートアップの広報体制づくりをサポートしてきた井上千絵氏は、SNSを企業のコンテンツに活用する方法をステップ分けしてまとめている。
使用するSNSの選択から、力強い広報ツールに育てるまでの6ステップを『手にとるようにわかる広報入門』(かんき出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。
Point1 自社の目的とマッチングするSNSを選ぶ
SNS運用を始めるにあたっては、広報活動の目的、SNS運用の目的を明確にして、ターゲットに合ったSNSを選ぶことが重要です。
たとえば、新卒採用を目的とする場合は10代・20代が使っているXやInstagramを選ぶことになるでしょう。また、海外展開を目指す企業ならLinkedInやFacebook(アジア圏はFacebookが強い)が効果的です。
近年話題のTikTokを採用広報に活用して成果を挙げている企業もあります。Instagramのリールと同じ縦動画のため、デジタルネイティブの若者に訴求できるというメリットがあります。
ただし、企業が最初に使うSNSとしてはおすすめしません。なぜならTikTokは、他のテキストや画像ベースのSNS(XやInstagramなど)とは比較にならないほど、コンテンツ制作の難易度が高いプラットフォームだからです。
SNS運用に慣れていない広報担当者が定期的に更新していくツールとしては、スタート時にはハードルが高いでしょう。まずは、各SNSの特性をおさえ、自社の目的と合うものを考えてみましょう。
Point2 最新のアルゴリズムをキャッチアップする
SNSの運用ではアルゴリズムを把握して投稿計画に反映させることが大事です。
アルゴリズムとは、各ユーザーの興味関心に合った最適な情報を表示する仕組みのこと。ほかのユーザーとコミュニケーションを積極的にとっているかなど、さまざまな基準によって各SNSはアカウントを評価し、表示されやすさを決めています。このアルゴリズムは頻繁に更新されています。
最新のアルゴリズムをキャッチアップして、それに合わせたコンテンツを企画・投稿して効果を最大化しましょう。
投稿を頑張っているのに反応がない、フォロワーが増えないと悩んでいる場合、投稿がSNSのアルゴリズムに合っていないことが考えられます。
最新のアルゴリズムについての情報は、SNSの公式アカウントや関連情報を発信するキーパーソンをフォローする、あるいは信頼できるまとめサイトなどを利用することによって効率よく収集できます。
2、3カ月に1度はアルゴリズムの変化を確認し、運用ルールを見直していくことを意識しましょう。

