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寝不足の人は自制心のコントロールができなくなっている可能性

寝不足の人は自制心のコントロールができなくなっている可能性

寝不足と学業低下、犯人は“自制心崩壊”!?

寝不足と学業低下、犯人は“自制心崩壊”!?
寝不足と学業低下、犯人は“自制心崩壊”!? / Credit:clip studio . 川勝康弘

この調査では、TikTokを「どれだけ長く使っているか」という量的な指標だけでは説明しきれない側面があることが示されています。

特に「使いすぎだと分かっていてもやめられない」という自制心の失敗が、就寝時間を遅らせる大きな要因になっていたのは両グループ(中学生・大学生)共通の傾向です。

また、TikTokのような短尺動画アプリは、ユーザーが短時間で楽しめる刺激を途切れなく得やすいため、“自制心の失敗”を起こしやすいメカニズムが存在すると考えられています。

とはいえ、学業成績やウェルビーイングといったもう少し“遠い”結果に関しては、年齢や学校環境の違いもあって影響の出方が異なりました。

たとえば中学生では自制心の失敗と学業成績の低下が結びつく傾向が見られた一方、大学生ではその関連ははっきりとは示されませんでした。

研究チームは、勉強の進め方や日常スケジュールが大きく変わる大学生にはほかの要因も絡んでいて、影響が見えにくくなった可能性を指摘しています。

また、ウェルビーイングや学業成績といった結果は、睡眠不足や長時間のSNS利用など、複数の要素が重なってじわじわと変化していくかもしれないため、「短期的には変化を捉えにくい」という見方もできます。

つまり自制心の失敗による動画視聴が積み重なれば、より長期的にウェルビーイングや学業パフォーマンスを下げる可能性もあるというわけです。

このように、SNS利用の影響を考える際には「単純な使用時間」よりも「本当はやめたいのに続けてしまう心理状態」に注目することが重要だと改めて示唆されました。

研究自体は一度きりの調査であるため因果関係を完全に証明するものではありませんが、今後さらに長期間の追跡調査などを行えば、「自制心の失敗」がどのように学業や健康、日々の満足度を左右するのかが一層明らかになるかもしれません。

いずれにしても、“夜更かしから抜け出したい”と思う人にとっては、単にSNSの使用時間を気にするだけでなく、自分がどのような状況や感情でスマホを手に取っているかを見直すことが大切だといえそうです。

元論文

TikTok use versus TikTok self-control failure: Investigating relationships with well-being, academic performance, bedtime procrastination, and sleep quality
https://doi.org/10.1016/j.actpsy.2024.104565

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部

配信元: ナゾロジー

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