「最後のチャンスだ」とプログラミング講座を受講
サポステに通いながら、活動範囲を広げようと「ひきこもり、会社」で検索すると最初に出てきたのが「株式会社ウチらめっちゃ細かいんで(通称めちゃコマ)」だ。
スタッフはみんな元ひきこもり当事者や生きづらさの経験者で、珍しさもあり度々メディアに取り上げられていた。
プログラミング講座の受講生を募集していたので、岡田さんは「最後のチャンスだ」と思って学ぶことに。
ひきこもっていた間にパソコンゲームをやりながらパソコンの仕組みに詳しくなっていたこともあり、1年ほどでプログラミングのスキルが身に付いた。
正社員として就職したいとIT系の会社に5、6社応募した。だが、世の中はそう甘くはなく、面接にすらたどり着けない――。
「ここで火を消しちゃいけないと思ったんですよ。私、気持ちが弱いから、今の火が消える前に仕事を見つけないと絶対マズい。ひきこもりに戻ってしまう。
で、とにかく働くことを優先しようと思って、履歴書不要の派遣のバイトを始めたんです」
見つけたのはマンションの管理人代行の仕事。半年の契約が切れるころ、めちゃコマから「講師の枠が空いたのでやらないか」と声をかけられた。
最初は週2日3時間の業務委託だったので、サポステで紹介された警備の仕事とダブルワークで1年ほど働いた後、めちゃコマの正社員になった。40歳のときだ。
ひきこもりから出て元気に働いていると伝えたい
めちゃコマではプログラミング講座やホームページ制作を主な業務として行っており基本的に在宅勤務だ。現在は正社員が3人、アルバイトが4人いるが、スタッフの入れ替わりは激しい。
「うちって、良くも悪くも、めちゃくちゃやさしい会社なんですよ。やりたくないことは断っていいよと言われるから、成長しないんです。
ひきこもりっぽさが抜けないまま働いていて、こだわりや思い込みが強くなり過ぎて、自分から辞めてしまった人もいます。
人と話すのが苦手で積極的に動けない人たちは、一度業績がすごく悪くなったときに会社を去らざるをえなくなっちゃいました」
あくまで株式会社なので、利益を出さなければ事業を継続できない。仕事上でのコミュニケーションも必要だ。
当たり前のことだが、ひきこもっていて社会経験が少ない分、難しいと感じることもたくさんあるだろう。
そんな中、岡田さんは勤続6年を超えた。辞めていった人たちと何が違うのか。
「私は自分が成長したかったんです。でも、根が怠け者なんで、追い詰められないと動けない。だから、苦手なところに無理して突っ込んで行ったんです(笑)」
その一つが毎週更新しているYouTubeの「めちゃコマチャンネル」。4年前に会社から打診されたとき自分から「やります」と手を上げた。
「自分がひきこもっていた当時、欲しかったけど見つからなかった情報を伝えたいと思ったんです。
ちゃんとひきこもりから出て、元気に働いている人がいるんだよって。最初は自分の経験を話しました」

