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三井と住友が“先に手を組んでいた”意外な企業…海運大手・商船三井を生んだ「1964年合併の衝撃」

三井と住友が“先に手を組んでいた”意外な企業…海運大手・商船三井を生んだ「1964年合併の衝撃」

「博打」が当たれば大儲けの海運業

海運業は、世界の景気や資源需要の変動に業績が大きく左右される「市況産業」です。商船三井は、特に運賃が相場で決まる大型ばら積み船の分野で、その浮き沈みの激しい体質を露呈しました。

2000年代、中国の資源需要爆発を背景にした「海運バブル」が到来。市況で運賃が決まる大型ばら積み船の運賃が暴騰し、商船三井はこの波に乗って巨額の利益を上げました。

社内では、この収益構造は「博打が当たっただけ」と語られることもありましたが、当時の経営陣は海運という事業を「相場を先読みする力を磨いてリスクテイクするビジネス」と断言し、「博打経営」という表現を恐れませんでした。

三井の攻め・住友の守りが商船三井のDNAに

しかし海運バブル崩壊後、市況の急落によって巨額の損失を計上した商船三井は、「博打経営」からの脱却を目指し、安定収益型事業へのシフトを加速させています。

商船三井は、運賃が長期契約で安定しているLNG船の船隊規模で世界トップクラスを誇ります。LNG船は、高度な安全運航技術が求められるため、運航事業そのものが高付加価値な安定収益となります。

競争が激しいコンテナ船事業では、2017年に日本郵船、川崎汽船と事業を統合し、ONE社を設立しました。これは、日本の海運大手海運3社がコンテナ船という巨大リスクを共有し、世界的な競争力を高めるための戦略的な大決断でした。

現在は、洋上風力発電など、環境関連事業の育成に力を注いでおり、脱炭素時代を見据えた事業構造への転換を進めています。商船三井の収益構造は、「定期船」という安定収益と「スポット船」という変動収益のバランスの上に成り立っており、無事に博打経営からの脱却に成功したと言えるでしょう。

三井と住友という日本の2大財閥のDNAを受け継ぎ、相場の波に乗るダイナミズムと、安定を追求する堅実さを融合させてきた商船三井は、その「攻め」と「守り」の姿勢を保って、今の安定した経営を見せています。

文/山川清弘 写真/shutterstock

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