「任せる」という名の丸投げ
母が転倒して入院したのは、去年の秋のことです。退院後は自宅での介護が必要になり、私は仕事を週3日に減らして通うようになりました。
夫は「任せる」と言いました。でもそれは「信頼している」という意味ではありませんでした。ケアマネとの打ち合わせも、薬の管理も、母の気分の浮き沈みへの対応も、全部私一人で抱えていた。「一度、一緒に来てほしい」と頼むたびに、夫はスマホの画面から目を離さないまま「わかった」と言い、翌週には忘れていました。
あの夜の言葉
限界が来たのは、ある水曜の夜です。母が「薬を飲んだかどうかわからない」と言い出して、記録ノートを取りに夜中に車を走らせました。帰宅したのが23時過ぎ。リビングでは夫が缶ビールを片手にテレビを見ていました。
「もう少し協力してほしい」と言ったとき、夫が顔を向けないまま口を開きました。「お前の親の介護なんか知らない」と。
冷たい場所に押し込まれたような感覚でした。夫の親でもあるのに、と思いました。でも言い返す気力も、もうありませんでした。
