50戦目の怪物、エストラーダの冷徹な余裕
迎え撃つエストラーダは、至って冷静だ。
「日本は那須川選手のホーム。はっきりした形で勝たなければ。理想はKO勝ちだ」
35歳という年齢による衰えを自覚しつつも、「その分ハードトレーニングを重ねてきた」と一蹴。5月に行われる「井上拓真vs井岡一翔」の結果まで冷静に分析するその姿は、数多の修羅場を潜り抜けてきた“怪物”そのものだ。
記者の目としては、勝敗の行方は「想像」の向こう側にあると感じる。那須川が「別人の形」でレジェンドを驚愕させるのか。それとも、エストラーダが「世界レベルの壁」として神童を再び絶望に突き落とすのか。
アンダードッグとしての挑戦:覆るか、最新オッズ
下馬評では依然として「経験の差」でエストラーダ有利。那須川はキャリアで初めて“アンダードッグ(格下)”としてリングに立つことになる。
英国の大手ブックメーカー「Skybet」による2月時点の予想オッズでも、エストラーダが1.53倍と優位を示しており、那須川天心の2.50倍を突き放している。客観的な数字で見れば、那須川の苦戦は必至だ。
だが、強敵を前に「蹴ってでも勝つ」と言い放ち、「後悔はさせない、等身大のオレを見に来て」と呼びかける男の執念は、論理的な予想を覆すエネルギーを秘めている。「やり返さないと気が済まない」――。その視線の先には、自分を負かした王者・井上拓真へのリベンジがある。
4.11、両国。私たちは、覚醒した那須川天心の衝撃を目撃するのか、それともレジェンドが突きつける冷徹な現実を目の当たりにするのか。
