「ホンダ、お前もか」
ホンダが2026年3月期連結決算で最終損益が最大6900億円の赤字に転落する見通しとなった。
トランプ米大統領が電気自動車(EV)への優遇措置撤廃を打ち出したほか、EU(欧州連合)でも戦略の見直しを迫られるなど、EVへの逆風をモロに受けた格好だ。
経営不振が続く日産の最終赤字6500億円(見通し)に匹敵する規模で、最終損益の赤字転落は1957年の上場以来初となる。最大手のトヨタは別格として、苦境が続く日本の自動車メーカーに未来はあるのか――。
EV優遇撤廃とEU方針転換 欧米の逆風が直撃
ホンダは、「2050年にホンダの関わるすべての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現」という目標を定め、EVへの取り組みを進めてきた。米国や欧州での環境規制強化の流れに沿った脱炭素施策だったが、欧米はこれまでの方針を大きく転換した。
まず米国。これまでEVを普及させるため、さまざまな施策を打ち出し、テスラは一気に売り上げを伸ばした。バイデン前政権は気候変動対策の一環となるEV購入施策として、1台当たり最大で7500ドル(約120万円)の税額控除を行う制度を推進していた。
しかし、EVシフトの転換を進めるトランプ氏は昨年9月、バイデン前政権が打ち出した同制度を終了させたほか、同じくバイデン前政権が推進していた企業別燃費規制値を大幅に緩めるなど化石燃料の規制緩和にも動き、北米市場のEV需要は減少した。
EUもEV施策の見直しの機運が高まり、'35年にガソリン車の販売を原則禁止にするというこれまでの方針を撤回。充電設備の設置が進まず、航続距離が短いといった課題も克服できず、普及は低迷、欧州の自動車メーカーの業績にも影響を与えていた。
さらに、中国・アジア市場に目を向けると、新興EVメーカーが急速に競争力を付けていた。こうした世界的な潮流に抗えず、ホンダはEV戦略の転換に迫られていたのだ。
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3車種の開発中止 2兆5000億円損失の試算も
ホンダは、さらなる損失の拡大を招く恐れがあることから、米国で生産予定だったEVの3車種『Honda 0 SUV』『Honda 0 Saloon』『Acura RSX』の開発・発売の中止を決定した。
3月12日、ホンダは、米国市場における損失に加え、中国市場でも損失が発生すると予想、'26年3月期連結決算で最終損益が最大6900億円の赤字に転落する見込みであることを公表した。
'27年3月期以降を含めると、最大で2兆5000億円の損失が出る可能性があると試算した。昨年11月時点では3000億円の黒字を見込んでいた。
