初期コストの重さはネック
購入のデメリット
①初期コストが重い
賃貸であれば、敷金・礼金と仲介手数料他諸費用で賃料の3~4ヶ月分を支払えば入居が可能です。家賃20万の部屋ならばおおよそ60万~80万です。一方で購入の場合は初期にまとまった資金が必要です。新築マンションだと修繕積立一時金で100~150万程度、これに加えて住宅ローンの融資手数料として借入額の2.2%、他登記費用などの諸費用がかかります。仮に7,000万のマンションを買ったとするとざっくり試算しても200~300万程度は見ておく必要があります。
そのため、1~2年の超短期で引っ越す前提であれば、初期費用だけを考えると賃貸のほうが合理的になる可能性があります。ただし前述した通り、昨今のマンション価格は急激に値上がりしており、仮に1~2年の居住であっても購入時より高く売れるケースもあります。初期コストだけで判断するのではなく、今後のインフレ可能性やあなたのライフスタイルを踏まえて、どちらがあなたにとって合理的な選択なのかを考える必要があります。
②住み替えしづらい
購入のデメリットとしてよくあがるのが、住み替えのしづらさです。一度購入してしまうと簡単には動けず、ライフスタイルの変化に対応しにくい。その点、賃貸ならライフスタイルに合わせて住み替えが自由にできる、というものです。確かに「賃貸は気軽に住み替えが可能」ということは事実ですが、「一度購入してしまうとずっとそこに住まないといけない」というのは、必ずしも事実ではありません。
もちろんマンションによる個別差はありますが、首都圏のマンションは流動性が高く、相場通りの価格で売りに出せば数カ月で買い手が見つかるケースが多いです。公益財団法人東日本不動産流通機構のデータによれば、中古マンションが売却開始から成約に至るまでの平均期間は85.3日です。賃貸ほどスピーディーには進まないかもしれませんが、条件が整えば3ヶ月程度で買い手を見つけることも十分に現実的です。購入したからといって、ライフスタイルの変化にまったく対応できなくなるわけではありません。
ただしマンションごとの個別差は当然ながらあり、近年は選ばれやすいマンションとそうでないマンションの差は広がってきています。だからこそ、将来の住み替えも見据えたマンション選びが、以前にも増して重要になってきています。
賃貸で住み続けるなら考えておくべきリスク
賃貸を選ぶ場合に、あらかじめ考えておきたいリスクもあります。その一つが、高齢になると賃貸での入居を断られるリスクです。賃貸でマンションを借りる際に多くは保証会社を通しますが、高齢だと保証会社の審査が通らないケースがあります。また、万が一、入居者が室内で亡くなった場合、その後の賃貸経営に影響が出ることを懸念し、オーナーが高齢者の入居を敬遠するケースもあります。
もう一つが、インフレによる賃料上昇のリスクです。物価が上昇すれば、基本的には賃料もそれに連動して上がっていきます。その結果、ライフスタイルの変化に合わせて住み替えを検討した際、周辺の賃料が想定以上に上昇しており、近隣では希望条件の物件に住み替えられない、といった事態も起こり得ます。
これまで長くデフレが続いてきた日本では、賃料が大きく上がる局面を経験してこなかったため、こうしたリスクは表面化しにくいものでした。しかし、インフレ局面に入った今、「賃貸はいつでも自由に住み替えできる」という前提が、必ずしも成り立つとは限らない点には注意が必要です。
文/2LDK(マンションブロガー)

