・解析してわかったこと
聞いたのは気のせいだったか? それとも本当にモスキート音が鳴っていたのか? 確信が持てなかったゆえに途中何カ所かで録音しておいたわけだが、その音を生成AI「Gemini Pro」に聞かせてみたところ、銀座線渋谷駅ホーム・宮下パーク前・西武渋谷前のそれぞれでモスキート音と思われる音が出ているという解析結果だった。それぞれ「17086Hz」「17097Hz」「17915Hz」としている。
周波数帯と音量の関係をグラフに描かせてみると、たしかに17~18kHzに反応があり、さらに高い周波数の反応も確認できる。
とりわけ数値がすごかったのが西武渋谷前だ。20kHzの帯域が飛び抜けて高い。やはりあの界隈が異様にうるさかったのは気のせいではなかった。
Geminiの解析結果の裏付けをとるために、解析のできるオーディオ編集ソフト「Audacity」でも、音の周波数成分を視覚化する「スペクトログラム解析」をしたところ、さらに興味深いことがわかった。解析結果の画像を見比べてみよう。各画像に記した矢印はモスキート音の17kHzの帯域を示している。
銀座線ホームでは17kHzの音がうっすら出ており、真横に薄い帯を形成している。周囲の音に比べればごく小さく、意識しないと聞き取れないレベルであることがわかる。
続いて宮下パーク前は、15kHzと20kHzの間に薄い2本の線が真横に走っている。これは同じ高さの音が絶え間なく鳴り続けていることを示している。先ほどの銀座線ホームよりも、モスキート音をよりハッキリと聞き取ることができるだろう。
そして最後に西武渋谷前は、20kHzの帯域に真横にハッキリとした太い線が出現した。先ほどの2カ所とは比べ物にならないほど大きな音が鳴っていたことがわかる。
これは、西武渋谷の2つの建物の間を、音が反響し増幅して音が大きくなっている可能性がある。そのため他の場所よりも高音が大きくなってしまうのだろう。
SNS上の渋谷でモスキート音が聞こえるという意見は、間違いではなさそうだ。私のような中高年でも聞き分けられるとなると、若い人、ましてや子どもにはさらに大きく聞こえることも考えられる。
子どもを連れて周辺を歩く際、お子さんが不快感を示したら、中高年には聞き取りづらい音が聞こえていると理解してあげてほしい。
余談だが、私がこの音を聞き分けられることをGeminiに伝えたら「佐藤さんの耳は若いです」と言われてちょっと嬉しかったぞ。
参考リンク:リオネット補聴器
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
Screenshot:GoogleMaps、Audacity
