|味わいが深いスープとパスタ
ここからしっかりとした味わいを楽しめるスープとパスタが続きます。組み合わせるワインも徐々に個性が強くなりました。
「茸のズッパ(スープ)」はバターでソテーした3種類の茸に甘味のある白美人ネギを忍ばせ、泡立てたカプチーノ仕立。仕上げは客席でトリュフをスライス。運ばれた瞬間から香りが広がり、濃厚でまろやかなスープと共に、口いっぱいにトリュフの風味が広がります。

▲削りたてのトリュフが入った「茸のズッパ」
スープに合わせた白ワインは「ファミリア・オロ ヴェルナッチャ ディ オリスターノ」。イタリア・サルデーニャ島で3000年の歴史がある品種ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノを使い、昔ながらの製法で造られた2013年製のヴィンテージ。樽で長期熟成された深みやコクは力強く、ドライでちょっとスモーキーなブランデーを思わせるニュアンスも。味わい深い茸のスープとよく合いました。

▲2013年の「ファミリア・オロ ヴェルナッチャ ディ オリスターノ」
トスカーナ地方では猪の肉もよく使われるのだとか。麺は太めの平打ちタリアテッレ。猪肉を使ったサルシッチャ(ソーセージ)と赤玉ねぎを合わせたトスカーナ地方伝統の “フラタッキオーネ” 風ソースに、ポルチーニ茸を絡めます。混ぜると具もゴロゴロ入っていて、パルミジャーノ・レッジャーノの豊かな風味と猪肉独特の旨みなど、奥深い味わいを楽しめます。

▲パスタは「猪サルシッチャと赤玉ねぎのタリアテッレ」
パスタの力強さにあわせた爽やかな果実味のある辛口の赤ワインは、地元の那須塩原市板室にある「石井ぶどう」で栽培された葡萄を使い、同じく那須塩原市の Y’s Vineyards(ワイズヴィンヤーズ) が造った「イタムローニュ ピノ・ノワール2024」。さり気なくご当地ワインも楽しめる演出が嬉しいですね。

▲那須塩原市で造られた限定ワイン「イタムローニュ ピノ・ノワール2024」
|メインで楽しむ魚料理と肉料理
メインの魚料理と肉料理は、目の前で仕上げるパフォーマンスから始まる意外性。趣向を凝らした魚料理と、シンプルに仕上げた牛肉を味わいます。
テーブルに運ばれた岩魚(イワナ)の蒸し焼きに、目の前で温かい胡麻油をかける意外性に驚きました。もち麦と黒米で作るリゾットの上に、岩魚と生ハム、貝のペーストを重ねて網脂で包み、紫蘇の醤油漬けを使ったソースでいただきます。岩魚の火入れも絶妙で身はとっても柔らか。コクがあって癖のない「太白胡麻油」がかかり、料理全体の味の調和もみごとです。

▲「ハーブ香る岩魚の蒸し焼き」
炭火でじっくり焼き上げられた牛肉に、紫にんじんや姫だいこんなどローストした根菜類が添えられます。イタリアのデミグラスソースとも言えるスーゴ・ディ・カルネと緑色のネギニラの2種類のソースは、肉に寄り添うサッパリとした味。ワサビのコンフィも添えられて、多彩な味で楽しめます。

▲「牛肉のアロースト」
肉料理に合わせたのは “トスカーナワインの王様” と称される「ブルネッロ ディ モンタルチーノ リドルフィ」の2018年。サンジョヴェーゼ グロッソを使ったワインで、牛肉の炭火焼を引き立てるジューシーさとコク、酸味がありながら重すぎることのない流麗な味わいのビンテージです。

▲牛肉の炭火焼きに合わせるのは “トスカーナワインの王様”
