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訪れる海外富裕層が日本ブランドのホテルを選ばない意外な理由…彼らが「おもてなし」よりも重要視するホスピタリティとは

訪れる海外富裕層が日本ブランドのホテルを選ばない意外な理由…彼らが「おもてなし」よりも重要視するホスピタリティとは

外資系の資本力とリスクを取る経営

日本企業においても、東京証券取引所からのPBR改善要請、「物言う株主」であるアクティビストの台頭などを背景に、「資本コストや株価を意識した経営」に変わりつつある。しかしながら、相場が下落すると一斉に保有資産を損切り、景気が下向くと一斉に投資計画を中止し、思考停止してしまう、リスク回避志向のサラリーマン経営的な日本の機関投資家や上場事業会社がまだまだ多い印象だ。

それは一方で、「資本コストや株価を意識した経営」が浸透しており、ビジネスライクにリスクを取りながら最大限のリターンを得るため、プロフェッショナルな経営に徹する海外の投資家や事業会社にとって、相場の下落局面や不景気は、むしろ絶好の買い場であり、開発を進めるチャンス、と見るのだ。

そのぶん、経営責任が重くシビアな人員整理もある世界ではあるが、決断力(権限移譲と相応の報酬と責任)と資金力にも裏付けされており、外資と日本との経営思考や組織の差異が如実に表れているといえよう。

「この先更に景気が悪くなったらどうしよう」「もし、金利が高騰したらどうしよう」などとリスク要因を挙げていけばキリがない。価格変動リスク、インフレリスク、景気リスク、為替リスク、地政学リスク、地震や自然災害のリスク、クレジットリスク、流動性リスク、税務リスクなどなど。

釈迦に説法であるが、投資や開発においてリターンがあれば、当然それ相応のリスクもある。それを認識した上で最善策を決断するのがプロフェッショナルな投資行動であり、失敗もあるものの、海外投資家や富裕層はそれを理解し実践している。

所在地に強みあり

なぜ、一泊何十万円もするホテルが増えているのだろうか。

前述のとおり、政府は2030年に6000万人のインバウンドを獲得する目標を掲げている。国際的な知名度のあるマリオットやヒルトンなどの最高級ブランドホテルがあれば、旅先としての信頼感は高い。また、再開発や国際化を進める地元自治体などの思惑もある。世界的な国際会議や見本市、スポーツイベントなどの誘致活動において、知名度がある外資系高級ブランドホテルの存在は大きな決め手になる。

東京、京都、ニセコなど、外資系高級ブランドホテルがある都市やリゾート地は、この先も生き残る可能性が高いと筆者は考える。こうしたホテルは、しがらみや先入観なく、単純にグローバルな視点から①ビジネスとして採算がとれるのか、②成長性はあるのか、③運営委託方式でリスク回避、④自社ブランドに貢献するのか、といった合理的な観点から立地や投資が選ばれているはずだからだ。

マリオットなど米系大手3社は、世界最大のニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場している。エヌビディアやマイクロソフト、アルファベットといった他の上場企業と同じように、①資本コスト、②株価向上、③ガバナンスを常に意識しており、売上高、最終利益、ROEやPBRはもちろん、客室稼働率、客室価格、客室平均単価、収益力の目安となる「1部屋あたりの売上高」などを重視して、日々、世界中の投資家の目線に晒されながら、株価と時価総額を意識した経営がなされている。

「外資系高級ブランドホテル進出」というシンボリックな大型開発が進行中であること。これは、国内外の多くの事業者・投資家が安心して事業継続や不動産投資を行うことができるエリアであることを示していると言える。

一般に、外資系ラグジュアリーブランドホテルがある地は、別荘やコンドミニアム、セカンドハウスのニーズも高く、かつ地価の上昇も続いているため、国内外の富裕層から投資対象として売買されるケースも多い。こうした状況が更なる不動産価値の上昇を生み、ブランド化を推し進めるという好循環を生むことにもなる。

文/高橋克英

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