世間は観光シーズン。春の陽気に誘われてあちこちに繰り出す人も多いようだが、とある温泉旅館の女将から、こんな「困ったお客さま」のタレコミが届いている。
「70代の男性です。おひとりでお見えになりました」
ひとり旅ができるくらいであるから、活発な男性なのだろう。
「そうですね。リタイアしてからヒマつぶしにあちこち出かけているようなことをおっしゃっていました。いつもは奥様と二人で出かけるそうですが、今回は奥様が忙しいということで、初めてのひとり旅だそうです」
身なりもきちんとしていて、温厚そうな人柄の男性だったため、当初女将は何の警戒もしていなかったそうだが、夕食が済み、布団を敷き終わった仲居が部屋を後にすると、間もなく仲居は男性に呼び戻された。
「30歳まで希望、40歳まで許容」の仰天要求
何か不手際でもあったのかと思い、慌てて部屋に顔を出す仲居。「何かございましたでしょうか?」と尋ねると、男性は「話し相手になってくれないか?」と言って来たという。
「最初仲居は意味がわからなかったそうです。『何か御用があればたまわりますが?』と聞いたら『ひとりでいるのが寂しいから話し相手が欲しい』と言うんです」
以下、その時の会話である。
仲居「生憎、今は手が離せませんし、間もなく上がりの時間になりますので、話し相手は難しいかと…」
男性「じゃあ、他の人でいいや。と言っても男は嫌だから女性がいいな。僕は気が若いせいか、若い女性と話すのが好きでね、なるべくなら30歳くらいまでが希望なんだけど、40歳までなら許容範囲だよ」
仲居「生憎、業務以外での客室の立ち入りは禁止されております」
男性「客の話し相手になるのも業務のうちでしょう? 別にやましい気持ちがあるわけではない。旅先の特別な一夜をひとり寂しく過ごすよりも、地元の女性と観光情報や地元ネタを交えた会話を楽しみながら、有意義に過ごしたいだけなんだけどね」
仲居「…女将に聞いてきます」
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女将が思案 枕芸者か、純粋な寂しさか
仲居から報告を受けた女将は―
「てっきり枕芸者の類を所望しているんだと思ったんです。そういう男性、特におひとりでいらした方の中にはそれが目的の人も少なくないですから」
枕コンパニオンを呼べないこともないが、「やましい気持ちはない」「話し相手が欲しいだけ」と言っている男性にあてがって良いものなのかどうか…。
女将があれこれと思案している最中にも、男性から「話し相手になる女性を寄越してくれ」という電話がフロントに入る。
「何だかんだ言って、枕相手が欲しいんじゃないですか?」という番頭の声を聞いた時、女将の頭には「いつもは奥様と一緒だと言っていたから、純粋に寂しくて話し相手が欲しいのかも」という考えが過る。いずれにせよ、何かしら対処をしないと男性は諦めてくれそうにない。
