皆様、こんにちは。ゲーム保存協会の手島孝志です。今回は「T&E SOFT(ティーアンドイーソフト)」を取り上げます。筆者自身、T&E SOFTの『ハイドライド』が大好きで、T&E SOFT関係の収集家でもあります。そのため、あまりマニアック過ぎないように心がけつつ、同社の魅力をご紹介していきたいと思います。
ライター:ゲーム保存協会
2011年設立。日本が世界に誇るゲーム文化を100年先の未来に残すため、関係する歴史的資料の保護・保存技術の開発や啓蒙、他団体との連携・支援などに取り組む完全非営利の民間団体。本部は東京世田谷の等々力にある。公式サイト:https://www.gamepres.org/
最初の市販ゲーム『リアルゴルフゲーム』
資料によると、T&E SOFTは1981年(昭和56年)10月、兄弟2人が岐阜県一宮市で父親が経営していた映像関連会社を間借りし、パソコンゲームの製作を開始したのが始まりとされます。翌1982年からは雑誌『I/O』を発行している工学社の系列である「コムパック」を通じてゲームの販売を開始しました。そして同年10月には独立して株式会社を設立しており、これが企業としてのT&E SOFTの原点と言われています。
当初はPC-6001向けのゲームソフトを開発していました。コムパックで販売するにあたり、雑誌『I/O』にリリースするゲームの記事を掲載しています。記事にはゲームの紹介だけでなく、プログラムリストも掲載されており、これを入力することでゲームが遊べるようになっていました。しかし、雑誌を見ながら長いソースを入力するのは非常に手間がかかったため、手軽に遊べるパッケージソフトも好評を博したようです。
最初に販売されたのは『リアルゴルフゲーム』という作品です。面白いことに、このパッケージソフトは2種類が存在していました。黒いパッケージ(上記画像左)は社内において手作業で製作されたものです。のちに店頭で並んでいた商品のシュリンク包装内に米粒が混入しているのを見つけて冷や汗をかいた、という開発者のコメントが残されています。一方、それとは別にコムパックから販売されたパッケージ(上記画像右)もあり、こちらをご存知の方も多いのではないでしょうか。

