・4時間後
その後、外で仕事をし、停電が終わった頃を見計らって帰宅。すでに電気は復旧していた。
さっそくクーラーボックスの様子を見に行くと……なんだか上側が少し濡れているような。恐る恐るフタを開けてみると……。
え!?
──アイスキャンディーが完全に液状化している。食べ頃と呼ぶには、さすがにちょっと溶けすぎだ。もはやただの色のついた水ではないか。
慌てて他の食品も確認したが、思っていた以上に春の雪解けのような状態になっている。もし4時間以上放置していたら、アイス以外もきっと全滅していただろう。
いったいなぜ、こんなことになってしまったのか?
改めて調べたところ、割とすぐに私の行動が “愚の骨頂” であったことが判明した。関西電力の公式サイトには停電時のNG行動として、デカデカとこう書かれている。
「クーラーボックスに食材を移すのはNG!」
何ィィィィィィイイイイ!? 解説によると、クーラーボックスへ移し替える作業の間に食材が室温に触れてしまう上、移したクーラーボックス内は常温である。
つまり私は、アイスをわざわざ外気で温め、生ぬるい空気と一緒にクーラーボックス内へ密閉していたのだ。全滅するわけである。
・最強のクーラーボックス
では、どうするのが正解だったのか? 氷・ドライアイスの専門業者である中央冷凍産業の公式サイトに、衝撃の事実が記されていた。
「冷蔵庫の庫内の断熱材はクーラーボックスより、はるかに保冷力を維持できるようになってます。家の中で一番冷えているのは冷蔵庫です。庫内の食品は移さないでください」
さらに最強のカードとして、内閣府に属する「食品安全委員会」も、ホームページ上でアメリカの機関のデータを以下のように引用している。
「扉を開閉しなければ冷蔵庫は4時間、冷凍庫は48時間冷気を維持できる」
先に謝罪しよう。本当に申し訳ありませんでした。私が余計な手出しをせず、ただ冷凍庫のドアを閉めたまま何もしなければ、4時間の停電なんて難なく耐え抜いていたのである。まさに無知は罪。
今後、もし数時間の停電に遭遇したとしても、皆さんは絶対に冷凍庫を開けず、ただ静かに放置するようにお願いしたい。私と同じ悲劇を繰り返さないためにも。
