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「猫は九回生まれ変わる」ということから生死を題材にしようと思いました『猫君 りんねの輪』畠中 恵 インタビュー

「猫は九回生まれ変わる」ということから生死を題材にしようと思いました『猫君 りんねの輪』畠中 恵 インタビュー

猫又の本場? 戸塚の猫又たち

──タイトルにもなっている「猫君」という存在についてもお聞きしたいんですが、前作では今の猫の繁栄の礎をつくった猫又の王であり英雄、仙人かもと言われているという説明がありました。猫宿の長が過去世でそうだったんじゃないかという噂もありましたが、畠中さんの中での猫君のイメージは変わりましたか。

 最初は、猫君は今はいないから、たった一人しかいなくて、その一人が生まれ変わっているんだろうって猫又たちも思っていたと思うんです。でも、今回、長が、自分は猫又だったけれど最初の猫君ではなかったと言っているんですよね。猫又から猫又へと受け継がれていくものなのかもしれません。

──『猫君』をお書きになるときに、最初に登場する猫又や、猫又史、化け学などの授業カリキュラムなど設定資料をおつくりになったと聞いています。猫のこともかなり調べられたんですか。

 調べました。歴史に残っている猫のエピソードってけっこうあるんですよ。平安時代の宇多(うだ)天皇という人は猫好きで猫のことを日記につけていました。昔から猫はネズミを捕るから重宝されて、よくネズミを捕る猫は家の中で大事にされていたともいいます。最近はまた猫を大切に飼う人が増えましたけど。

──猫好きから見れば猫は特別な存在。猫君、と敬う存在の猫又がいても不思議じゃないです。あと、今回は、戸塚(神奈川)の猫又が登場しますね。前作でも戸塚の地名がちらっと出てきましたけど、戸塚の猫又を出そうと思ったのは?

 実は別の作品(「しゃばけ」シリーズの『なりたい』所収の「猫になりたい」)で戸塚の猫又の話を書いたことがあり、戸塚へ確認しに行ったことがあるんです。「ああ、そうか、ここに猫又がいるんだ」と思ったので出そうと。戸塚の人たちはうちが猫又の本場みたいに思ってるかもしれませんし。

──なぜ戸塚の猫又が出てこない、と(笑)。

 戸塚宿の醬油屋さんで、洗って干していた手拭いが毎晩一枚ずつ盗まれてしまう。疑われた丁稚(でっち)が見張っていたら、手ぬぐいが地を這うように勝手に動いていってしまった。その後、猫たちが手ぬぐいをかぶってみんなで踊っている光景を人間たちが目撃するんです。歌にもなってます。

──猫にまつわる伝説や昔話はまだありそうですね。「猫君」シリーズに合流してきそうな猫と猫又たちもまだまだいそうです。

 みかんたちはまだ二年生ですから、これから勉強することもたくさんあります。続きもぜひ書きたいですね。

猫君 りんねの輪

畠中 恵猫君 りんねの輪2026年4月24日発売1,760円(税込)四六判/256ページISBN: 978-4-08-770049-7


波瀾万丈! お江戸猫又ファンタジー!

二十年生きた猫は、人に化けて言葉を操る妖怪「猫又」となる――。
花のお江戸には、密かに猫又達が暮らす六つの陣があり、将軍様の庇護のもと、江戸城内の学び舎「猫宿」で新米たちが妖怪修業をする「猫宿」があった。

茶虎のみかんは、仲間と力をあわせて様々な難関を乗り越えて無事、二年生に進級した。
ところがある日、かつて“魔王”と呼ばれた武将であり、すべての猫又を司る”猫君”だったとも噂される猫宿の長(おさ)が惨殺される恐ろしい凶事が起きて……。
新米猫又を狙う強大な“敵”と猫又二年生たちとの明日を賭けた戦いが今、始まる。

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