「可能であれば早い段階で上限の見直しをしていただきたい」
佐々代表は、今回の措置について「とにかく急すぎる」と指摘したうえで、産業分野別の受け入れ人数の設定自体にも疑問を投げかける。
「今回の決定を1年前に言ってくれていれば、紹介業者も飲食店も覚悟はできましたし、外国人労働者側も、日本に行く準備をする必要がなかった。今回の件は日本の評判を下げたのではないでしょうか。
また、業界によって人員の充足率も全然違います。特定技能だけで見ても介護の半分以下の上限しかないというのは、本当に現場ニーズを踏まえているのか疑問です」
外国人人材を軸とした事業を展開する株式会社明光キャリアパートナーズの担当者も、今回の措置の影響は「少なからずあります」と話す。
「私たちがご紹介する求職者の中には、他業界での技能実習で経験を積み、特定技能では外食をやりたいので、試験を受けてすでに資格を持っている、という方も一定数います。
この場合、技能実習という在留資格から特定技能在留資格に変更になり、新規の受け入れ扱いになってしまうため、企業へ紹介ができなくなります。こうしたケースが少なからず生じています」
外国人労働者の他業種から飲食業へ転職のニーズは高く、その理由について同担当者はこう説明する。
「日本語を使う仕事をしたいという方や、もともと料理や接客に関心のある方が、いったん別の業種に就き、特定技能に切り替わるタイミングで外食に転職する、というケースも少なくありません。
建設業などに比べ、飲食店の場合は屋内の空調のきいた環境で働けることも魅力の一つでしょう。
さらに外国人はコミュニティが広く、『外食の仕事はいいよ』という評判が口コミで広がりやすい。その結果として、国が想定を上回る雇用につながった側面もあるのではないかと考えています」(明光キャリアパートナーズ・担当者)
同社のもとには、外食企業から困惑の声が届いているという。
「アルバイトで勤務する留学生が卒業するタイミングで特定技能に切り替えて、正社員で採用するというフローで計画を組んでいる企業もあり、そういうところにも影響が出ています」
今回の措置について問うと、「早い段階での見直し」を求めた。
「2019年に特定技能制度が始まったタイミングで、各分野での受け入れ上限予定数が設定されたことは問題ないと思いますが、結果として、外食業界では想定以上のニーズがあったわけですから、可能であれば早い段階で上限の見直しをしていただきたいです」
現場と制度のずれは今後どのように修正されるのか。早急な議論が求められている。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

