脱原発を成し遂げたドイツでは再稼働を待望する声が
原発の再稼働に向けた機運も失われている。日本原子力産業協会の「日本の原子力発電所の運転実績」によると、2025年度の全国の原発の稼動率は33.6%だった。前年度比で1.3%の増加に留まっている。
福島第一原発の事故後、規制強化で廃炉や稼働停止が進み、2025年度で稼働している原子力発電所は15基。事故前は50を超えていた。脱原発を訴える動きも活発で、今年3月11日にも首相官邸前で市民によるデモが行なわれた。
一方、エネルギー価格の高騰が一部の国民の意識を変えつつあるのも事実だ。欧州に目を向けると、ドイツは福島原発事故を契機として脱原発へと傾き、2023年4月に最後の原発を停止し、脱原発を完了した。しかし、ウクライナ紛争がエネルギー価格高騰を招いて原発再稼働の声が上がるようになり、現在でも一部の政党が熱心に再稼働を訴えている。
電気代が高騰する日本においても、原子力発電所の有効利用に向けて冷静な議論がなされるタイミングが訪れているように見える。
取材・文/不破聡 写真/shutterstock

