中学受験は、「大学進学実績がいい学校に入れるなら得だ」と語られがち。
たしかに私立・国立の中学に進むことで、6年間を見通したカリキュラムや特色ある教育を受けられる可能性はある。
しかし、コストに見合うかを考えるなら、合格実績だけでは不十分だ。
公立との負担差
まず費用面を見ると、文部科学省の令和6年度調査では、私立中学校の初年度納付金平均額は全国で83万4964円。
さらに東京都の令和7年度調査では、都内私立中の初年度納付金平均額は103万3387円に達している。
加えて文部科学省の子供の学習費調査では、中学生1人あたりの年間学習費総額は、令和3年度で公立約54万円、私立約144万円。

単純計算でも中学3年間の負担差は大きく、受験準備の塾代を含めれば、家計への影響はさらに重くなる。
あくまでその学校の傾向
では、その負担に見合う成果はあるのだろうか。
ここで注意したいのは、「進学実績」は学校全体の結果であって、入学した全員の成果を保証する数字ではないことだ。
学校基本調査は高校卒業後の大学進学率などを示すが、中学受験の段階で見えるのは、あくまでその学校集団の傾向にすぎない。
もともと学力水準や家庭の教育熱心さが高い層が集まりやすい学校では、進学実績が高く見えやすいという面もある。

つまり、学校の力と入学者側の条件が混ざった数字を、そのまま「投資対効果」とみなすのは危ういのだ。
進学実績は重要な指標だが、それだけでコスパを判断すると、「その学校に入ったから伸びたのか」「もともと伸びる子が集まっているのか」が見えなくなる。

