【戦時中の恋はとても切ない】
本作では合唱団のメンバーの恋愛エピソードもさりげなく描かれています。でも戦時中の恋愛は切ないですね。若い退役軍人クライド(ジェイコブ・ダッドマンさん)は、戦地で右腕を失い、帰郷したら恋人の心も失ってしまいます。
合唱団でいちばんの歌唱力の持ち主メアリー(アマラ・オケレケさん)さんは、これから徴兵される若い軍人と両思いになりますが、彼が出征する前日に誘われても一線を越えられません。
「神様にあなたが無事に帰還できるように祈ったからできない」と。すると彼は彼女の前で服を脱ぎ「この体を覚えておいて欲しい、全部そろっているこの体を」と告げます。
生きて帰れたとしても、体の一部が失われている可能性もある。このシーン、涙ぐんでしまいました。やっぱり戦争はダメだ、人生これからという若者にこんなことを言わせるなんて。
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【レイフ・ファインズ様の説得力】
的確な指導力と音楽愛によって人々の信頼を得て、ガスリーは合唱団を完成させていきます。そんなガスリーを演じるレイフ・ファインズ様、やっぱりいい!
ガスリーはどちらかと言えば厳しい指揮者です。しかし、音楽を知り尽くしているから、彼の言葉のひとつひとつに説得力があるんです。
「毎日少しの音楽を聴くべきだ。魂の美しさが世俗に汚されぬように」
音楽を愛する心を失ったら、人生の彩がなくなってしまうのかも。この映画ではクラシックを扱っていますが、自分の琴線に触れる音楽ならばなんでもいいのではないかと思います。ガスリーことレイフ・ファインズ様の演技が心にしみわたりました。
戦場に送られるかもしれない、家族の訃報に触れるかもしれない、街が攻撃されるかもしれない。そんな恐怖におびえながら生きている人々の心に光を与えた合唱団の物語『ザ・コラール 希望を紡ぐ歌』。平和であることの喜びやささやかな幸せを改めて思ったり、音楽が与えてくれる豊かさ、歌うことの楽しさもしみじみ感じさせてくれる作品です。ぜひ!
執筆:斎藤 香(c)Pouch
『ザ・コラール 希望を紡ぐ歌』
2026年5月15日(金)より全国ロードショー
監督:ニコラス・ハイトナー
脚本:アラン・ベネット
出演:レイフ・ファインズ、ロジャー・アラム、マーク・アディ、アラン・アームストロング、ロバート・エムズ、サイモン・ラッセル・ビール
公式サイト:https://longride.jp/choral/

