●電動車のパイオニア、ヤマハが作るスポーツe-bike
最初に訪れたのは「ヤマハ発動機販売」のブースだ。ヤマハといえば、PASシリーズを生んだ電動アシスト自転車(以下、電動車)のパイオニア。家庭用電動車で圧倒的な認知度を誇る同社が10年前から展開しているスポーツラインが「YPJ」シリーズである。会場にはマウンテンバイクタイプの最新モデル「CROSSCORE RV」が展示されていた。
普通車のスポーツバイクに乗っている身として、電動車に抵抗を覚える理由のひとつが、フレーム上でドスンと存在感を主張するバッテリーだ。しかし、このモデルはフレーム内蔵型のバッテリーを採用しており、言われなければ普通のマウンテンバイクに見える洗練されたデザインとなっている。
「オフロードだけでなく街乗りでも気持ちよく乗れる一台です。通勤だけでなく休日のサイクリングも楽しみたいという方や、年齢を重ねて体力的に従来のスポーツサイクルが厳しくなったという方によく選ばれています」と同社の鈴木達さん。希望小売価格38万円という普通車のミドルグレードに近い価格帯ながら、同クラスのコンポーネント「シマノDEORE」とブレーキ「MAGURA MT-30」を採用している点も売りだという。
フル充電まで約3.5時間。スタンダードモードの場合で94km、プラスエコモードで184kmの走行が可能で、通勤用途であれば週に一度の充電で十分だろう。
なお、この日は屋外に設置されたコースで実際に試乗。日光の下だとブラックのボディーが一層映え、ダートや砂利道が連続する路上でも安定した走り心地。特に登りでは電動車らしい快適さを実感できた。
ただ一点デメリットに感じたのは車体の重さだ。総重量で20㎏を超えるため、電車等での輪行は難しい。その点は自宅近辺での走行や、自家用車で旅先に持ち込むというスタイルのサイクリストに向いているモデルといえる。
●ホンダが開発した“後付け電動アシストユニット
次に訪ねたのは「本田技研工業」のブース。同社が出展していたのは「SmaChari(スマチャリ)」というサービスだ。なんとこちらは、電動アシストユニットを取り付けることで普通の自転車を電動アシスト化できる仕組み。JIS規格に適合した自転車であれば装着可能で、電動アシスト自転車の型式認定にも対応している。
同社・野村真成さんによると、3,4時間の充電で約100キロ走行可能なバッテリーはドリンクホルダー用のネジ穴に取り付ける仕様になっており、基本的に無加工で電動化できるという。また、ユニットはスマホアプリとBluetoothで連動し、バッテリー残量や走行ログの確認ができるほか、AIによる最適なパワー制御も可能だ。さらに、自動車のコネクテッドデータをもとに、事故発生地点や急ブレーキの多い箇所を地図上に表示してくれる機能を備えているのも同社らしいサービスといえる。
会場ではNESTOやTHARDBIKESを展開する「ホダカ」、オーダーメイドメーカーの「GRAND BOIS」などがスマチャリ装着のスポーツバイクを展示していた。現在は車体とセット販売が中心だが、販売店によっては持ち込み車両への後付け設置にも対応しているという。お気に入りメーカーの自転車を電動車にして乗りたいという人はもちろん、乗り慣れた愛車を乗り続けたいという人にもおすすめのサービスだ。
ちなみに、「なぜホンダが電動自転車を?」と疑問に思う人も多いだろう。「実はホンダの最初の製品は、自転車用の補助エンジンだったんです」と野村さん。その製品とは1947年に発売された「ホンダA型」のことで、エンジンとモーターで動力こそ異なるが、本サービスにもホンダのDNAがしっかりと受け継がれている。

