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読売テレビ・中谷しのぶアナに聞く「相手に寄り添う」本当の意味。被災地取材で見つめた言葉の重み

読売テレビ・中谷しのぶアナに聞く「相手に寄り添う」本当の意味。被災地取材で見つめた言葉の重み

現場で培った経験を次の世代へとつないでいきたい

現場の声を届けられるアナウンサーを育成したいと、佐藤佳奈アナ、藤岡宗我アナ、増田陽名アナの3名の後輩アナウンサーによる被災地取材研修を企画されたそうですね。

災害と向き合うことは報道において欠かせないことですし、いつどこで起こるかわかりません。だからこそ、ふだんから災害現場との向き合い方を自分なりに考えてほしいという思いから企画しました。

お三方は被災地での取材は初めてだったのですか?

はい。今回は、2024年の能登半島地震で被災した石川県輪島市にある幼稚園を訪問し、園長先生に大規模火災があった輪島朝市でお話を伺ったり、同じく地震で被害にあった歴史ある醤油・味噌の醸造所の方々にお話を聞く機会をいただきました。藤岡アナウンサーと増田アナウンサーは入社1年目ということもあり、言葉を探りながら緊張している様子が新人時代の自分と重なるところもありました。

現地までの道中ではどんなお話をされましたか?

被災されて大変な状況のなかでも、取材に応じてくださる方々がいらっしゃいます。その方たちの言葉を丁寧に伝えることが私たちの使命であること。また、取材対象者の心情を決めつけず、まっすぐに向き合う姿勢を大切にしてほしいとも伝えました。

「決めつけない」とは、どういうことでしょうか?

被災直後の取材で、輪島朝市でお店を失った方が、「店が一瞬で焼けてしまって、自分も一緒に燃えてしまったらよかった」と心の内を話してくださったことがありました。

その後、公費解体が進んでいると聞いて「大切なお店が解体されるのもつらいことだろう」と思って現地に行ったのですが、実際にお話を伺ってみると、その方は「悲しかったけれど、前を向く力にもなった」とおっしゃったんです。その言葉を聞いたとき、はっとさせられました。

被災された方がつらい状況にあるだろうことは容易に想像がつきますが、実際はそんな単純なものではありません。それぞれがさまざまな思いを抱えて日々を過ごしておられます。だからこそ、こちらの先入観で捉えず、真摯に向き合うことが大切だと気づかされた瞬間でした。

これまでの経験が、現場の声を大切にする取材につながっているのですね。

今回の研修では、3名それぞれが多くの気づきを得てくれたように感じています。提出してもらったレポートに「自分が聞きたいことを前提に質問を考えていたけれど、相手が何を伝えたいのかを考えることの大切さに気づいた」という言葉があり、こちらの思いが伝わったのだと嬉しくなりましたね。

報道の意義を感じる一方で、マイクを向けることへのためらいも

被災地という過酷な現場に入る準備として、意識されていることはありますか?

「自分のことは自分で完結する」ということです。被災地は本当に大変な状況にあるなか、取材させていただく立場だということを忘れずに、体調管理はもちろんのこと、携帯トイレなどの装備を整えて向かいます。現場への道路状況もわからないですし、水道、電気などのインフラが止まっているので、被災地に迷惑をかけないことを強く意識しています。また、コロナ禍以降は感染対策も徹底して行っています。

取材を行う際に心がけていることはありますか?

相手の立場に立って考えることを心がけています。たとえば、避難所での取材は、被災地で本当に必要とされていることが伝えられるという点では大きな意味があります。ですが、着の身着のまま避難して、そこで何日も何週間も過ごさなければならない。そんななか、メディアが来てマイクを向けられたら「私だったら嫌だろうな」と思うんです。実際に、厳しい言葉をいただくこともありますから。

報道する側の立場として葛藤されることもあるんですね。

それは日々考えています。でも能登のみなさんは本当に優しくて、ご自身が大変ななか、私たちに温かな言葉をかけてくださいました。「伝えてくれてありがとう」という感謝の言葉に、私が支えられたことが何度あったことか。被災者の方にマイクを向けることに心苦しさを感じることもありますが、伝え続けることが私の使命だと思っています。

配信元: anna(アンナ)

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