寄り道が「本末転倒」なほど面白い
なお、最初の脱獄まで3時間ほどでしたが、チュートリアルは1時間程度の時間でした。残り2時間ずっと刑務所で右往左往していたわけですが、本当に楽しい体験でした。こんな調子で世間の情報から隔絶されていたため、ゲーム内でのAI利用にまつわる騒動も、後になってSNS上で話題になっていると気づいたほど。それくらい刑務所生活に没頭していました。AIを使用した街の広告を見るよりは、刑務所の塀を見ている方がプレイ時間としては圧倒的に長かったのが原因と思われます。
現在はシャバに戻り、銀行で「シティライフ」と呼ばれる金策手段を学びつつ、更生の日々を送っています。本来なら異象を追うはずだった主人公は、気づけば刑務所でスプーン片手に脱獄計画を立てていました。本作は、メインストーリーを進めることでシティライフの幅が広がっていく仕組みですが、筆者のように「脱獄を楽しみたいからストーリーを進める」という、少し本末転倒な楽しみ方も許容してくれる懐の深さがあります。
『NTE』は、ただのRPGの枠に収まらない、プレイヤーの「悪知恵」や「好奇心」を形にしてくれるゲームです。ぜひ皆さんも、ヘテロシティ(あるいは刑務所)の住人になってみてはいかがでしょうか。
(文:怪しい隣人)

