結成16年以上のベテラン芸人たちがトーナメント方式で激突するお笑い賞レース『THE SECOND~漫才トーナメント~』第4代王者に輝いたのは、結成18年目のトット(多田智佑、桑原雅人)でした。5月16日(土)に開催されたグランプリファイナル(決勝戦)で、金属バット、ヤング、タモンズ、黒帯、シャンプーハット、リニア、ザ・パンチという実力派をおさえて悲願の優勝をなしとげたトットの2人。直後の会見では、笑いを交えつつ王者までの道のりを振り返りました。

「あんなに緊張した顔で漫才やるやつは初めて」
大会終了後の会見のMCは、初代王者のギャロップ(林健、毛利大亮)とフジテレビの小室瑛莉子アナウンサー。大勢の報道陣が待ち構えるなか、心境を問われた桑原は「不思議な感じがします。現実なんかなって」と、まだ受け入れられていない様子。多田は「マジでうれしいですよ」と笑顔を見せながら、「何もなかったオレたちなんですよ!」としみじみ語りました。
トットは、初戦に293点の高得点をたたき出し、275点のザ・パンチに勝利すると、準決勝のリニア戦では292点対289点の接戦を下して決勝へ。THE SECONDを「レギュラー番組」と称する、4大会連続ファイナリストの金属バットとの戦いになった最終決戦は、281点対264点で4時間超の長丁場を制しました。

大会を振り返って、桑原は「1本目やるまでどうなるのかわからなくて緊張していたんですけど、すごく笑っていただいて。そこからは、いつもの劇場の感じで肩の力が抜けた気がします」とコメント。多田は、吉本興業の社員から「長いこと吉本おるけど、あんなに緊張した顔で漫才やってるやつは初めて」と言われたと明かしつつ、「2本目からはいつも通りできたんじゃないかなと思います」と語りました。
「今日だけネタの選択権を譲った」多田の真意
トットのネタは、初戦の“現金派”の多田に“電子マネー派”の桑原が食ってかかる漫才や、禁煙がテーマの漫才、そして結婚・子育てをめぐってお互いの妄想が膨らんでいく漫才と多岐にわたりました。
今回のネタについて、「より普段の2人の会話に近づけました。ウケるかわからへんけど、思いっきりやってみたら、芸人仲間がすごく笑ってくれたんで、これいけんのかなって。2人にしかできないというか。モメたら笑ってくれるので、これオモロいんや、と思いました」と桑原。多田も「(自分たちがやっていることは)間違ってないんだろうな、と思いつつ、どうにかお客さんに笑ってもらえるよう、試行錯誤を続けてきました」と語りました。

こうしたネタのスタイル変更について、桑原はこう振り返ります。
「同期のGAGとか近い人らが最初に気づくんですよ。『その道はいいと思うよ。絶対つながるよ』と言ってくれたんで、それだけを頼りにやってきました。俺らがおもろいと思う人が『おもろい』と言ってくれてるから、いいかって」
多田も「最初、めっちゃスベってたんですけど、相席スタートの山添(寛)が、『あれ伝わってないですけど、面白いですよ』と、まっすぐ面白いと言ってくれたことが、本当にうれしくて……。心の励みになりましたね」と明かしました。

実は決勝では、ネタ候補が2つあったそう。前日には、多田が別のネタ候補を挙げていたのにもかかわらず、直前で「お前がやりやすいほうがいいんちゃう」と選択権を預けてくれた、と語る桑原。多田が、その心境をこう明かします。
「勝ち負けは次にして後悔のない選択、2人にとって、いちばん気持ちいいのはどちらか、というのを話し合いました。(トットは)よくも悪くも桑原なんですよ。桑原が乗るか乗らないかなので」
これに桑原が「びっくりしました。普段は(ネタの選択権を)絶対譲らないんです。364日譲ってなかったのに、マジで今日だけ譲ってきたんです!」と振り返り、笑いを起こしました。