日本が本来得意としてきた戦い方を見つめ直すべき
絶対にうまくいくはずのない半導体工場への巨額投資よりは、最上流の資源を確保しようとする分、レアアース戦略のほうが少しだけマシな考え方ではある。しかし、マシであるという事実だけで、事業が成功するわけではない。
どれほど美しい計画を立て、どれほど立派な船を深海へ向かわせたとしても、あまりに安い中国製のレアアースを前にしては、なすすべはない。政府の努力は、おそらく無駄に終わるだろう。
国産資源の確保という夢から目を覚まし、現実を受け入れる必要がある。安い材料を世界からしたたかに買い集め、高い技術力で付加価値をつけるという、日本が本来得意としてきた戦い方を見つめ直すべきではないか。
環境規制や人権を度外視した中国の圧倒的低コストに対し、日本の深海採掘は採算性で太刀打ちできない。経済安全保障という幻想に固執し税金を投じるのではなく、材料を賢く調達し技術で勝負する原点に戻るべきだ。
文/小倉健一 写真/shutterstock

