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【京丹波町×一橋大学】学生たちが描いた “帰りたくなる町” の風景とは

最近は、観光地を巡るだけではなく、「また行きたくなる場所」や「もう一度会いたくなる人」がいる地域に惹かれる人も増えているように感じます。

京都府京丹波町で公開された観光動画「帰りたくなるまち ー京丹波町ー」は、そんな“人と地域の距離感”をテーマにした作品です。制作を担当したのは、一橋大学の学生たち。実際に京丹波町へ何度も足を運び、地域の人たちと関わりながら、自分たちが感じた空気感や時間の流れを一本の映像に落とし込んでいます。

印象的なのは、ただ観光スポットや名産品を紹介する動画ではないということです。映像の中で描かれているのは、「この町でどんな時間を過ごしたのか」「なぜもう一度訪れたくなるのか」という感情の部分。どこか懐かしさを感じる風景や、人との自然な距離感が重なり、“帰りたくなる”というタイトルの意味が少しずつ伝わってきます。

行政・大学・地域が一緒になって作り上げた今回のプロジェクトは、これからの観光のあり方を考える上でも興味深い取り組みと言えそうです。

なぜ今「帰りたくなる町」が必要だったのか

観光地の動画というと、絶景やグルメ、人気スポットをテンポよく紹介するイメージを持つ人も多いかもしれません。ですが、京丹波町が今回目指したのは、そうした“観光地紹介”だけではない新しい地域との関わり方でした。

京丹波町ではこれまで、「観光で一度訪れて終わり」ではなく、その後も地域とゆるやかにつながり続けてくれる人を増やす取り組みを進めています。近年は「関係人口」という言葉も広がっていますが、単に移住者を増やすだけではなく、「また行きたい」「あの人たちに会いたい」と思ってくれる存在を地域の中に増やしていこうという考え方です。

その背景には、観光客の流れが一部の人気スポットに集中しやすいという課題もありました。せっかく町全体に豊かな自然や食、人の魅力があるにも関わらず、限られた場所だけを巡って帰ってしまうケースも少なくなかったそうです。

確かに最近は、“有名な場所を効率よく回る旅”よりも、その土地ならではの空気や人との出会いを求める人も増えているように感じます。SNSで見た景色をなぞるだけではなく、「そこでどんな時間を過ごしたか」が旅の印象として残る時代になってきているのかもしれません。

そうした中で京丹波町が注目したのが、都市部の大学生たちの視点でした。
2023年から一橋大学と共同でタウンプロモーションに関する調査研究を進めてきた京丹波町は、学生たちが地域へ実際に入り込み、人と関わりながら魅力を見つけていく形を大切にしてきました。今回の動画制作も、その流れの中で生まれたプロジェクトです。

ただ外から「地域をPRする」のではなく、地域の中で過ごし、感じたことを言葉や映像にしていく。そこには、従来の観光プロモーションとは少し違う温度感があります。
実際に今回の動画タイトルにもなっている「帰りたくなるまち」という言葉には、“観光地としてまた来たい”という意味だけではなく、“どこか懐かしく感じる場所”として心に残る感覚も込められているように感じます。

町を消費するのではなく、町との関係を少しずつ育てていく。そんな考え方が、今回のプロジェクト全体に流れている印象です。

東京の大学生が京丹波町で感じた“人のあたたかさ”

今回の動画制作で中心となったのは、一橋大学商学部データデザインプログラム(DDP)4期生による「京丹波ムービーチーム」です。

学生たちは、シナリオづくりから映像表現までを自分たちで担当。京丹波町役場やNPO法人京丹波イノベーションラボと連携しながら、現地でのフィールドワークやインタビューを重ね、作品を形にしていきました。
興味深いのは、“観光地を紹介するための取材”というよりも、実際に地域の中へ入り込み、人や風景と関わりながら制作が進められている点です。

学生コメントの中でも印象的だったのが、「有名な観光スポットを巡るだけでは出会えない人々のあたたかさや、懐かしさを感じる空気感」という言葉でした。
旅行というと、つい「どこへ行くか」に意識が向きがちですが、本当に記憶に残るのは、その土地でどんな人と出会い、どんな時間を過ごしたかだったりします。 京丹波町での体験を通じて、学生たちも“観光とは場所を見ることだけではない”と感じたそうです。

実際、今回のプロジェクトでは、地域の人たちとの距離感がかなり大切にされていたように感じます。何度も現地へ足を運び、その土地の空気を知り、会話を重ねる中で見えてきたものを、映像や物語に落とし込んでいったとのこと。
だからこそ、単なる「学生が作った観光動画」というより、“学生自身が地域との関係を築いていく過程”そのものが、このプロジェクトの魅力になっているのかもしれません。

また、東京で暮らす大学生だからこそ感じた“新鮮さ”も、今回の映像には大きく影響しているようです。
京丹波町には、派手なテーマパークがあるわけではありません。ですが、自然の中を流れるゆったりした時間や、人との距離が近いコミュニケーション、地元食材の豊かさなど、都市部ではなかなか得にくい感覚があります。

学生たちが感じた「なんだか落ち着く」「また来たくなる」という感覚は、今の時代、多くの人の心に響く感覚なのかもしれません。

タイトルに込められた「帰りたくなるまち」という言葉には、“故郷のような場所にまた戻りたくなる気持ち”と、“京丹波町での体験を通して、自分の日常へ前向きに戻っていく再出発”という2つの意味が込められているそうです。

単なる地域紹介ではなく、人の感情や記憶に寄り添うようなテーマになっているところに、今回のプロジェクトの特徴が表れているように感じます。

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