寝る前に届いた一通
日曜の夜、布団に入る前にスマホを確認するのが、僕の習慣です。明日からまた仕事だ、と思いながら画面を眺めていたとき、彼女からの通知が届きました。
「ねえ、私がいなくなったらどうする?」
最初に思ったのは、軽い質問だな、ということでした。彼女は時々、こうした問いをかけてきます。普段なら数秒で「絶対に泣くね」とか、軽く返せていたはずです。
ところがその夜だけは、なぜか返信の言葉が出てきませんでした。画面に映る彼女のメッセージを、何度も読み返していました。
書いては消した1時間
「絶対に忘れない」と打ちかけて、削除しました。「立ち直れないと思う」と書いては、また消しました。どれも、自分の中で本当のことだとは思えなかったのです。
実は数年前、当時付き合っていた人と別れたとき、思っていたより早く、また普通に生活が回り始めた経験がありました。最初の数週間は確かに苦しかった。でも、半年も経った頃には、もう新しい毎日に馴染んでいたのです。
その記憶が、ずっと自分の中で消化しきれずに残っていました。自分は人を本気で好きになれない、薄情な人間なんじゃないか。そんな疑いを、誰にも言えないまま抱えていたのだと思います。
彼女の質問は軽いはずでした。それなのに、画面と向き合った時間は気づけば30分を超え、40分が経ち、それでも答えは見つからないままでした。
