「値上げ後」の勝負を見据えたタイミングだった?
任天堂としては、価格改定後もスイッチ2を普及させ続ける必要があり、そのためには「多少高くなっても欲しい」と思わせる魅力が不可欠です。
そこで重要になるのが、ソフトのラインナップです。ゲーム機の価値を大きく左右するのは、最終的には「遊びたい作品があるかどうか」です。特に、「本体と一緒に購入したいと思わせる「キラーソフト」の存在は、普及の決定打となり得ます。
直近では、『Star Fox(スターフォックス)』最新作が6月25日に発売されます。「スターフォックス」は国内外で多くのファンに愛される3Dシューティングゲームシリーズですが、今回は『スターフォックス ゼロ』以来、実に10年ぶりの新作となります。
さらに、任天堂ハードを長年支えてきた『スプラトゥーン』シリーズの新展開も控えています。シリーズ初のスピンオフ作品『スプラトゥーン レイダース』が、7月23日に登場する予定です。このほかにも、『ファイアーエムブレム 万紫千紅』や、フロム・ソフトウェアが手がける『The Duskbloods(ダスクブラッド)』など、ゲーマー層を強く惹きつけるタイトルが年内発売を予定しています。
ここまで取り上げた作品は、いずれもスイッチ2でしか遊べない独占タイトルです。本体の普及を後押しする「キラーソフト」になり得るポテンシャルを十分秘めています。
また、注目作は独占タイトルだけではありません。マルチプラットフォーム対応作品まで視野を広げれば、ラインナップはさらに充実します。5月27日(水)の「ドラクエの日」に新情報があるのでは……と期待を集めている『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』が、仮にスイッチ2でも遊べるとなれば、スイッチ2本体とのセット購入を考える人も多く出てくるでしょう。
加えて、任天堂が実施した2026年3月期決算説明会の質疑応答にて、代表取締役社長の古川俊太郎氏は、「スイッチ2向けのさまざまな新作タイトルを準備している」「当期後半には、発表済みタイトル以外の新作も用意している」と明言しています。つまり、現時点で「未発表のタイトル」もまだ控えているわけです。
値上げはネガティブな話題ですが、その一方で、任天堂は今後予定されているソフトラインナップの展開によって、本体価格上昇による抵抗感を和らげようとしているようにも見えます。
そして、「Nintendo Switch 2 マリオカート ワールド セット」のように、ソフトと本体を組み合わせたお得な販売形態を「キラーソフト」の発売時期に合わせて投入すれば、割高感の緩和を期待できます。
スイッチ2の供給状況、そして今後控えるタイトル群などを考えると、5月下旬の価格改定は、「かなり計算されたタイミング」だったように思えます。本体値上げに対するファンの「戸惑い」を「熱狂」に変える準備はできているのか。引き続き注目したいところです。
