譲らなかった私の決断
それから何度も話し合いをしました。夫は反対を続けましたが、私は譲りませんでした。最終的に夫が折れる形で、私は単身赴任を選びました。出発の日、玄関で見送る夫の表情はどこか不機嫌で、けれど寂しそうでもありました。
赴任先での暮らしは慌ただしく、夫との連絡は最低限になっていきました。週末に短いメッセージを交わすだけ。怒っているのか、傷ついているのか、よくわからないまま、私は仕事に没頭していました。
そして...
3ヶ月が経ったある日、赴任先のアパートに一通の封筒が届きました。差出人は夫でした。便箋を開くと、不器用な字でこう書かれていたのです。「毎日の家事をやってみて、お前がどれだけのことをしてくれていたか分かった。転勤を応援する。頑張れ」。
そして手紙の最後に、下手くそな似顔絵が描かれていました。私の顔のつもりらしい、目の大きさが左右で違って、髪型もどこか変な絵。私は便箋を持ったまま、思わずその場で泣きながら笑いました。
あの夜の言葉は今も忘れられません。けれど、ひとりで過ごした3ヶ月で、夫もきっと向き合ったのだと思います。私は便箋を畳み、机の引き出しに大切にしまいました。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
