マンション価格を1000万円押し上げる「学区」の最新事情
3つ目に、マンションの資産性を考える上で、近年絶対に見逃せないのが「学区」の存在だ。
西岡氏は「マンションを買っただけで評判の良い小学校に行けるというのは、親にできる最大の努力であり、入学チケットのようなものです」と語り、学区が資産価値に与える影響の大きさを指摘する。
これまで都内の名門公立小学校といえば、文京区の「3S1K」や港区の「青白赤(または青白笄)」といった伝統的なエリアが有名だった。ここに子を通わせたい親が多く、不動産投資家にも家賃を高く設定できるとして人気だ。しかし今、変化の兆しが現れている。例えば、豊洲エリアの「豊洲北小学校」や「豊洲西小学校」が人気となってきているのだという。
「あそこで何が起きているかというと、そこに通うのはほとんどがタワマンに住む子どもたちなんです。タワマンを買えるだけの経済力を持った家庭の、教育熱心で優秀な子どもたちが集まることで、公立小学校のレベルが非常に高くなっています。豊洲の子どもたちは優秀だという結果がこの10年で出てきたことで、街自体に付加価値がついてきています」
つまり、子どもたちの進学成績が街の資産価値を牽引する時代になってきているのだ。学区がひとつ隣になるだけで、マンションの価格が1000万円単位で変わることも十分にあり得るという。
いま西岡氏が注目しているのが『HARUMI FLAG(中央区)』のそばにある晴海西小学校だ。新設されたばかりで、まだ進学成績などのデータは出ていない。しかし、「もし彼らが中学受験などで結果を出し始めたら、街やマンションの価値がさらに1段階上がる可能性があります」という。
最後に西岡氏は、資産性を考える上でのマインドセットとして「マンションは結局、人気投票である」と断言する。
「本当にそのマンションが大好きかどうかは分からなくても、周りに流されて人気投票をする層は確実にいます。そういう意味で、ポジティブな意見もネガティブな意見も、全てひっくるめて世間の話題になること自体が重要です」
例えば、ネットなどで賛否両論が巻き起こるような物件やネガティブなニュースが出る物件であっても、話題になることで知名度は上がる。
「悪名は無名に勝るではないですが、無名であることの方が資産価格維持においてはマイナスです。なにか悪いことで話題になっても、後になって『あの時有名になっておいてよかった』というパターンは少なくありません。みなの記憶に刺さっている物件はやはり強いのです」
誰もが知るシンボル性を持ち、街の成長や教育環境という「人が集まる理由」を備えた物件こそが、不況にも負けない強靭な資産価値を生み出すのだ。
第3回ではさらに具体的に、マンションを買う時にチェックしたいポイントについて解説してもらう。
取材・文/集英社オンライン編集部

