”イップス”は「自分はならない」と思っていませんか?決して他人事ではなく、ゴルファーなら誰でもかかる。しかもゴルフを一生懸命やるほどかかりやすいんです!
なぜイップスにかかるのか、どんな症状が現れ、どうやって克服するのか。それを事前に知ることが、イップス予防の最善策になります。
朝、目覚めた瞬間から気持ち悪さを感じてしまう

満足にラウンドができないほどだった
レギュラーツアーで戦っていたころからなので、イップス歴は20数年。ツアーでは、私が重度のイップスであることはみんな知っていますね。
その「きっかけは?」と聞かれると、これがわからないんですよね。最初はアプローチがザックリして、嫌だなと思ったら、それが続けて出てしまう。そうすると、次もまた出るんじゃなかという恐怖でヘッドが上がらなくなりました。
ショットは昔も今も自信があるし得意ですが、アプローチは本当にひどかったときは前に進まないんです。30代後半から40代の頭くらいにかけては、満足にラウンドができないレベルでした。そのころは不本意ながら、棄権することも多かったです。
試合後の帰りの車で、涙を流しながら運転したことも何度もあります。心にそのアプローチの恐怖がずっと残っていて、朝、目を覚ました瞬間からアプローチイップスの恐怖感が蘇ってきて、気持ち悪くなってしまうときもありました。
1発のミスで試合が台無しに
シニアツアーになってからは、いろいろな方法を試したこともあって、以前よりもいくぶんマシになりました。たとえば、練習ラウンドで仲間のプロたちとプレーするときなどは、あまりイップスは出ないんです。
しかし、試合ではまだひどいイップスが出ます。今シーズン、シニアツアー2戦目の「ノジマチャンピオンカップ箱根」ではショットが好調で、初日は途中までリーダーボードの上位にいましたが、砲台グリーンのショートサイドに外してしまい、そこからザックリを連発。トリプルボギーになってしまいました。それまでどれだけよいゴルフをしていても、その1発で試合全体が終わってしまうんです。
今季のシニアツアーでは、パーオン率でも上位につけていて、ショットはなんの問題もありません。今年6月の「スターツシニア」では、3日間60台を並べて7位タイに入りましたが、ショットでグリーンをとらえてアプローチをする機会がほとんどなかったことが好成績の理由。アプローチをしないように、命がけでセカンドショットを打っています。
アドバイスをもらって何百種も試した
イップスは技術で解決できるという人がいて、私にもたくさんのプロ仲間がアドバイスしてくれました。それを取り入れて、これまで何百種類ものやり方を試してきましたが、最初はうまくいくことがあっても、また怖さが芽生えてきてしまって、結果的に元のイップスの状態に戻ってしまいます。
練習では出ないのに試合でイップスが出るのに似ていますが、もっとも症状が出るのはアマチュアと回るプロアマ戦です。プロだから当然いいプレーを期待される。そうなるとまともに打てなくなる。やはり、心理的な影響が大きいんでしょうね。
20年以上にわたってイップスに苦しむ

「もしイップスになっていなかったら?今とは桁の違う賞金額を稼げていたと思いますよ(笑)」(堺谷)
Lesson
【症状】何をやってもアプローチが刺さり続けた……

左足に体重移動しながら、ハンドファーストにボールをとらえる基本的なアプローチ。しかし、どう気をつけてもヘッドが地面に刺さってしまう重度のイップスに見舞われた。

