20年後、突然届いた「すごいね」
中学を卒業してから20年。私は絵を仕事にして、SNSにも作品を投稿するようになっていました。フォロワーの中に、当時のクラスメイトの名前を見つけたときは、少しだけ落ち着かない気持ちになりました。
ある日、そのクラスメイトからDMが届きました。「あなたの絵、すごいね。学生時代から才能があったんだね」と。短いメッセージでしたが、私はしばらく画面を見つめていました。「変わってる子」だった私を、20年経った今、ちゃんと思い出してくれた人がいる。そう思うと、不思議な感覚に包まれました。
そして...
しばらく迷ったあと、私は短く「ありがとう、覚えていてくれて嬉しい」と返信しました。そして、押入れの奥から当時のスケッチブックを引っ張り出したのです。
中には、誰にも見せたことのなかった、あのクラスの集合絵がそのまま残っていました。20年ぶりに開いたページは、紙が少し黄ばんでいましたが、当時のみんなの姿はそのままそこにいたのです。
私はその絵の写真を撮り、彼女に送りました。一枚の画像のあとに、ゆっくりと「本当はみんなのこと好きでした」と打ち込んで送信ボタンを押したのです。返ってきた「ごめんなさい、当時は何も分かっていなかった」という言葉に、私は20年分の重さがゆっくりほどけていくのを感じました。
(30代女性・イラストレーター)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
