リングネームはゴリラ竜虎
――竜虎選手のプロデビューはウェルターより1階級下のスーパーライトでしたが。
渡嘉敷 最初はさらにその下のライト級でやりたがってたんです。「体重が落ちなくて泣くことになるぞ」と反対したら「じゃあスーパーライトでやらせてください」って引かないもんだからやらせたけど、案の定、地獄を見たね。
結局、東日本スーパーライト級新人王の決勝は減量でコンディションが悪くてKO負け。しばらくして「(ボクシングを)辞めさせてください」と言ってきた。高校生であんな厳しい減量をしたら無理もない。
うちのスタッフたちは「せっかくいいもの持ってたのに」って残念がってたけど、私は「絶対戻ってくるよ。あいつにはボクシングしかないんだから」と言ってましたよ。
竜虎 たしかに戻ってくるつもりではいましたけど。
渡嘉敷 1年後に戻ってきたから今度こそウェルターでやろうとなって、復帰後は3試合連続1ラウンドKO勝ち。だから言ったろ? ここはお前の階級なんだって。
竜虎 まぁ、何も言えないですけどね……(苦笑)。
――会長はすべてお見通しだったと。竜虎選手は典型的なファイタータイプですが、去年12月に行われた全日本ウェルター級新人王決定戦の決勝では、TKO勝ちとなった第5ラウンドからフットワークを使うなどスタイルを変えていました。
渡嘉敷 もちろんそういう練習はしてたけど、試合ではそれまでガンガン倒すスタイルだった。それがあの試合は相手のガードが堅くて倒しづらいと思ったのか、急に足を使い始めて相手に手を出させた。そこを狙って倒したんです。
あの試合運びを見て、竜虎のことを初めて頭がいいと思ったよ(笑)。
竜虎 会長に言われたくないです(笑)。
――現役時代、“ヤンバルクイナ”の異名をとった渡嘉敷会長。竜虎選手には何かニックネームを考えていたりは……?
渡嘉敷 「竜」と「虎」って最強の動物が名前に入ってるでしょ? だからもうひとつ強い動物の名前を入れて、ゴリラ竜虎がいいと思うんだよな。
竜虎 これ、僕が小学生の頃から言ってるんですよ。
――たしかにインパクトのある名前です。竜虎選手はどうですか?
竜虎 会長、勘弁してください。
渡嘉敷 ゴリラっていうとブサイクをイメージすると思うけど、実際顔を見たら意外とカッコイイじゃんってなるだろ。そのギャップで人気者だ。私だって所属してたジムの会長に“ヤンバルクイナ”って勝手につけられたから、お前もゴリラ竜虎で決まり!
竜虎 リングでコールされた瞬間帰りますよ(笑)。
取材・文/武松佑季 撮影/矢西誠二

