黙らされていた朝礼
入社して2年、私は店のホール業務を一通り任されるようになっていました。お客様の動きを見て自分なりに工夫することも増え、業務改善の提案を朝礼で出すこともありました。
ある朝、注文票の置き場所を変える提案をしたとき、年下のバイトリーダーが私の話を遮りました。「パートは指示通り動けばいい」。会議室では誰も何も言葉を発さなくなり、しばらく沈黙が続いたのを覚えています。 それから、何かを言いかけては飲み込む癖がつきました。提案しても無駄だと思うと、声を出すこと自体が怖くなっていったのです。
「パートのくせに」の一言
忘れもしません。あるランチタイム、料理が冷めているとお客様から指摘を受けました。私はキッチンに確認したうえで、温め直しと小さなドリンクサービスを提案し、すぐにご了承いただきました。
ところが、その様子を見ていたバイトリーダーは、お客様が帰ったあとで私は呼びつけられ「パートのくせに勝手なことをするな」と言われました。
彼にとってはそれ自体が許せなかったのでしょう。
帰り道、何度も自分のやったことを思い返しました。間違っていたのだろうか。それとも、声をあげる立場じゃないということなのだろうか。答えは出ないまま、その夜は冷蔵庫の前にしばらく立ち尽くしていました。
