必殺技スタイリング
大久保 最近、ミュージシャンの人とご一緒したりは?
伊賀 最近は少ないかもしれないです。
大久保 椎名林檎さんとか担当してたよね。
伊賀 林檎ちゃんはそれこそ、大久保さんのアシスタントだった兼田サカエさん(同書185頁~)繋がりですよ。
大久保 えっ!
伊賀 兼田さんのところで修業してた北澤“momo”寿志さんが、所属事務所の先輩なんです。初期の林檎ちゃんをmomoさんがやっていて、その次に僕がやらせてもらうことになって……でも、矢沢永吉さんのハットとか高中正義さんの赤いスーツとか、大久保さんが繰り出す「必殺技スタイリング」みたいなのは、あんまりないかも。
大久保 その人のアイコンみたいなものを提案できるのは楽しいけど、ひとりのスタイリストが同じミュージシャンの人を長くやり過ぎるのは微妙かもしれないね。
伊賀 わかります。僕も、ミュージシャンの方とはアルバム3枚でひと区切り、みたいな気持ちは持っていて。3枚って、だいたい6年ぐらい。その間に、300ポーズ前後はスタイリングするじゃないですか。いつもお互い新しくいたいですよね。
大久保 手癖が見えてきちゃうところ、あるもんな。
伊賀 自分らの立場からは「飽きちゃう」なんて、口が裂けても言えませんけど。この本はかなりイケイケで書かれていて、スタイリストってこうだよな、とゴッドファーザーのことを改めて尊敬し直しました‼
大久保 俺が悪口書いてるみたいじゃん。
伊賀 だはは。んなことないです! 本音過ぎるだけで(笑)。
前編はこちらから
取材・文/山田傘 撮影/高木陽春
『The Stylist: 伝説のスタイリスト 大久保篤志の人生と仕事論』(小学館)
大久保 篤志
2026/5/152420 円(税込)256ページISBN: 978-4093898508伝説スタイリスト大久保篤志の人生と仕事論 木村拓哉、真田広之、勝新太郎から木梨憲武まで……45年のキャリアを誇る〈伝説のスタイリスト〉が垣間見たスターたちの舞台裏と〈原宿カルチャー〉のリアルがここにある。 矢沢永吉やBOØWY、ヨウジヤマモト()を手がけた80年代、サザンオールスターズから小室ファミリー、Mr.Childrenとサヨナラした90年代。ドラマ『プライド』から始まる木村拓哉とのタッグ、緒形拳との最後の仕事も忘れがたい2000年代。 70歳となった今もなお、市川團十郎や葉加瀬太郎、相葉雅紀(嵐)が絶大な信頼を寄せるスタイリスト・大久保篤志の破天荒すぎる人生劇場!

